データを扱う仕事だからこそ、人とのつながりを大切にする
INTERVIEW
コンサルタント
T・M
新卒で自動車メーカー系の金融会社に入社し、キャッシュレス推進の営業を担当。その後マーケティング部門へ異動し、自社会員向けの販促企画から施策の実行・検証までを手がける。後半はデータの集計・分析部門を兼務し、データ抽出や基盤刷新のディレクションにも従事した。2024年3月にインキュデータへ入社。現在はマーケティングソリューション部にて、CRM領域の支援を担当している。
「データを出して終わり」に感じた限界
前職は自動車メーカー系の金融会社で、新卒から約十年在籍しました。最初の三年ほどは法人・個人向けの営業を担当し、クレジットカードや電子マネーを店舗で利用できるようにする、キャッシュレス推進の仕事に携わっていました。当時は、データとはほとんど縁のない仕事でした。
その後マーケティング部門へ異動し、自社会員向けの販促を担当します。加盟店として契約いただいているお客さまへの送客施策や、タイアップキャンペーンによる売上向上の支援など、企画から実行、検証まで一通り手がけていました。
転機になったのは、後半にデータの集計・分析を行う部署と兼務するようになったことです。新しいアプリの立ち上げに伴い、ユーザー単位でアプローチできるよう、社内でCDPの導入が始まった時期でした。
右も左もわからない状態からデータ抽出の方法を覚え、最終的には企画側の要件をまとめてエンジニアと調整し、アウトプットまでつなげるディレクションも担当するようになりました。
データ基盤を刷新するプロジェクトをやり切ったころ、一つの節目だと感じました。同時に、このままでは自分のキャリアが停滞するのではないか、とも考えるようになったんです。
前職では、データを「出して終わり」になってしまうケースもありました。役員向けにレポートを出して終わる。求められたデータを抽出して終わる。その先の活用まで踏み込めないままでは、今後数年間、自分自身の成長も止まってしまうのではないか。そう考え、転職先を探し始めました。
一社で一気通貫できることに、最大の魅力を感じた

インキュデータは、エージェントからの紹介で知りました。正直、それまでは会社の存在も知らなかったんです。
入社したいと思った最大の理由は、データ活用における上流の設計から施策実行まで、一社で一気通貫して支援できると掲げていたことでした。
前職では、上流の企画設計は大手のコンサルティングファーム、データ基盤の導入は別のコンサルティング会社やシステム会社、後段のアナリティクスはさらに別の会社というように、それぞれ異なる企業が担当することも少なくありませんでした。
分業されていることで、自分自身がプロジェクト全体を見渡し、知見を蓄積することが難しい。その状況を見ていたので、上流から施策実行までを同じ会社で支援できる点には強く惹かれました。それを実現するために、各領域に高い専門性を持つ方が揃っていることも大きかったですね。
転職活動でクライアントワークを軸にしていたのも、事業会社にいると、自社以外のことを知る機会が限られると感じていたからです。他社がDXをどこまで進めているのか、さまざまな企業の取り組みを見てみたいという気持ちもありました。
選考でお会いした方は、一次面接から最終面接まで全員覚えています。皆さん専門性が高く、さまざまな経験を積んできた方々なのだろうと感じました。「背中を追いたいと思える方が、たくさんいる会社だな」という印象でしたね。
コンサルティングの仕事自体は未経験だったので、入社前は身構えていた部分もあります。ただ、実際に入社してみると、想像していたような厳しさばかりではありませんでした。もちろん大変なときはありますが、その分、成長している実感もあります。
目指す姿が決まっていなければ、データは動かない

現在はマーケティングソリューション部で、データ活用の中でも比較的後工程にあたる領域を支援しています。担当しているのはCRM領域で、顧客データをもとに、誰にどのようなアプローチを行うのかを設計しています。
施策の対象となるユーザーをSQLで自分で抽出し、誰に何を配信するのかを設計する。ツールと連携して施策を実行したあと、その結果を自分で集計し、次にどのような施策を行うのかを考える。この一連の工程を自分の手で回せることが、私の強みだと思っています。
自社のデータを扱う立場から、お客さまのデータを扱う立場に変わっても、共通する課題があると感じています。
データそのものは存在していて、抽出すればある程度の実態も把握できます。しかし、そのデータを使って「どうなりたいのか」という設計ができていない。これは前職でも、いまご一緒しているお客さまでも共通しています。
たとえるなら、「データを活用したい」というのは、「スポーツ選手になりたい」と言っているような状態です。では、どの競技なのか。その中でどのポジションを目指すのか。そこまで明確になっていないことが少なくありません。
野球なのかサッカーなのかがわからなければ、どのような練習をすればいいのかも決められません。データ活用も同じで、目指す姿が言語化されていなければ、まずはそこを一緒に描くところから始めます。
できなかったことを痛感した、最初の一年

印象に残っているのは、入社して間もないころから、チームの一員として約一年間ご支援したお客さまです。クライアントワークの経験がない状態でインキュデータに入り、初めて長期でご一緒した案件でした。
日々新しいことを吸収しながら進められた一方で、自分にできないことを痛感した一年でもあります。「過去に戻ってもう一度、あの案件を担当したい」と思うくらいです。当時、こう整理していればもっとうまくできたのではないか、もう少し成果を出せたのではないかと、いまでも振り返ることがあります。
最初に意識したのは、自分が価値を出せるところから取り組むことでした。
マーケターとしての経験に加えて、SQLを使ったデータの抽出や加工も、ある程度自分で行える。技術面とディレクション、その両方を理解できる。まずは、そうした自分の強みを活かすところから入っていきました。
人と話すこと自体は好きなほうですが、相手の意図を汲み取り、それを提案として整理する部分は、いまも学びながら取り組んでいます。
社内には、単純に褒め合うというより、互いの専門性を信頼している空気があります。「この領域なら、この人に聞けばいい」と自然に相談できる。それぞれの専門性に対する信頼があるからこそ、スムーズに連携できるのだと思います。
AIの活用が広がるからこそ、人の力が問われる

仕事をするうえで一番大切にしているのは、人と人とのつながりです。相手への配慮とコミュニケーションを大切にし、誠実に接する。これは前職のころから、というより、就職活動をしていたころから変わっていません。
業種や業態だけで仕事を選んできたのではなく、実際に話してみて、「この方々がいる会社なら、良い仕事ができそうか」「自分自身も成長できそうか」という観点を大事にしてきました。
生成AIをはじめとする技術が進化し、人の仕事の一部を代替できる領域も広がっています。だからこそ、その人自身の人柄や、「この人と一緒に仕事をしたい」と思ってもらえるかどうかに、あらためて価値が生まれてくるのではないでしょうか。
データやAIを扱う仕事も、技術だけで完結するものではありません。お客さまの意図を汲み取り、同じ方向を向いて進めていくためには、人と人との信頼関係が欠かせないと思っています。
お互いが心地よく働くための配慮や謙虚さは、仕事の土台としてしっかり持っていたいですね。
専門性と対人力、その両方を持つ人材へ
まずは、スキルと知見を吸収し、高い専門性を持つ人材として認められる状態を目指します。中長期的には、プロジェクトマネジメントのように、プロジェクト全体を横断的に見る立場にも挑戦したいです。
いま自分が手を動かしている領域の中には、将来的にAIによって代替される可能性のある業務もあると感じています。一方で、社外の方と対話しながら相手の意図を汲み取り、信頼関係を築いていく力は、今後さらに重要になると考えています。
そうした対人コミュニケーションの力を持ちながら、プロジェクト全体の進行までディレクションできるようになれば、プロフェッショナルとして胸を張れるはずです。
一緒に働きたいのは、人とのつながりを大切にできる方です。ときには意見を交わしながら、お互いを高め合っていける関係が理想ですね。
加えて、データの領域で「こういうキャリアを描きたい」と考えている方であれば、お互いの成長を加速させられると思います。各分野に高い専門性を持つ方と一緒に仕事をすること自体が自己研鑽になり、それがお客さまへの価値提供にもつながっていきます。
※こちらのインタビューは、2026年9月に行いました。(撮影場所 WeWork 日比谷FORT TOWER)