描いた構想を、自分の手で動くところまで見届ける
INTERVIEW
AIコンサルタント
J・X
大学院で情報学を専攻し、画像処理を研究。卒業後は外資系ITベンダーでインフラ・クラウドエンジニアとして、基盤構築の要件定義から実装までを担当。その後、総合コンサルティングファームでIT戦略の策定やアーキテクチャ設計、AI・DX領域のコンサルティングに従事。2026年5月にインキュデータへ入社。現在はテクノロジーイネーブルメント部にて、AIコンサルタント・エンジニアとして活動している。
戦略を描くだけでなく、実装まで携わりたい
大学院では情報学を専攻し、画像処理を研究していました。就職時はソフトウェアの部署を志望していたのですが、配属されたのはインフラエンジニアの部署でした。
ただ、インフラは大学ではなかなか学べない領域です。システムを安定して動かすための基盤について知識を身につけられたことは、幅広い知識を持つエンジニアを目指していた自分にとって、貴重な経験になりました。
その後、総合コンサルティングファームへ転職します。エンジニアとして手を動かす中で、上流で描かれた戦略や構想が、実装の段階で技術的な制約にぶつかり、思うように実現できないケースを何度も見てきました。
それなら、自分自身が上流から関わり、技術を使って実現するところまで伴走したい。お客さまの課題を聞き、自分でソリューションを考え、その構想を実装までつなげていく。そう考えたことが、コンサルタントへ転身したきっかけでした。
コンサルタントとして関わった案件で、いまも記憶に残っているのは、思うようにプロジェクトを進められなかった経験です。
2025年ごろ、ある製造業のお客さまで生成AIの導入を進めていましたが、本番環境への導入には至りませんでした。課題の一つが、開発を担う人員やスキルの不足です。必要な人材を確保できなければ、開発に必要な工数も増えていきます。そこで、技術者不足の深刻さをあらためて実感しました。
私が関わってきた現場では、開発者の不足に加えて、開発者とコンサルタントの間でコミュニケーションが十分に取れないこともありました。その結果、完成したものが当初想定していたイメージとずれてしまうこともあります。
だからこそ、実装を担うエンジニアだけでなく、技術を理解したうえでお客さまと対話できるコンサルタントも必要なのだと思います。
構想から実装まで、一貫して携われる場所へ

前職では、実装を外部のパートナーと進めることもありました。会社が異なれば、契約条件やプロジェクトの進め方も異なります。想定していた稼働や品質にずれが生じると、その調整に現場が多くの労力を割くことになります。
それなら、構想から実装まで一貫して携われる環境へ進みたい。そう考えるようになりました。
転職先を探す中で、Webサイトを調べてたどり着いたのがインキュデータです。データ活用の戦略づくりから環境構築、さらに現場で実際に使われるようになるまでを支援する姿勢が、自分の考えと重なりました。
ソフトバンクや博報堂の知見やアセットを活用でき、専門性の高い人材も集まっている。この環境なら、実現できることの幅がさらに広がると感じたんです。
面接では、現在の上司やチームリーダーと、AIの今後の動向や、お客さまがAIを導入する際に注意すべきことなどを話しました。考え方が近いと感じましたし、「一緒に働きたい」と言っていただけたことも、入社の決め手になりました。
入社前は、今後どのような事業やプロジェクトに取り組んでいくのか、気になる部分もありました。
ただ、実際に入社してみると、AI領域に積極的に取り組む姿勢を感じています。特定の製品ありきではなく、お客さまの課題に応じてソリューションを検討し、提案から実装まで携わっていく。自分が取り組みたかった仕事につながる環境だと思っています。
メンバーの皆さんが熱意を持ってAIの案件に取り組んでいることも印象的です。考え方やカルチャーから刺激を受けることも多いですね。
AIを入れる前に、ルールを決める

現在は、あるメーカーのお客さまに対して、AIプラットフォームとデータプラットフォームの導入を支援しています。
すでにMicrosoft Azureの環境を導入されていたため、その環境を踏まえて、Copilotなどを活用したAI導入を検討するところから始まりました。
どのようなシステム構成にするのか。既存システムやERPとどう連携するのか。ガバナンスやセキュリティをどう担保するのか。そうした点について提案や議論を行い、資料にまとめてお客さまへご説明します。
プロジェクトが動き出したあとは、自分自身でも手を動かします。設計したCopilotとDatabricksの連携を、まずインキュデータの環境で検証する。手順書や検証結果をまとめ、お客さまに確認いただきながら、本番環境の構築へ進んでいきます。提案だけでなく、実装まで自分で携わっているということです。
ガバナンスも重要なテーマです。どこまでをAIに任せるのか。データの共有をどこまで許容するのか。あらかじめルールを決めておかなければ、実際の運用が難しくなります。
AIエージェントを利用する場合には、ユーザーIDの管理に加えて、エージェントごとのIDや権限をどう管理するのかという観点も必要です。
コンサルタントとエンジニア、両方の視点は、こうした場面で活きてきます。お客さまの環境を把握して全体の構成を描き、技術の専門性を活かして具体的な仕組みに落とし込む。導入時に発生した問題にも、一緒に向き合って解決していけることが、自分の強みだと思っています。
何をもって成功とするのか、最初に揃える

仕事で大切にしているのは、「何をもって成功とするのか」を、お客さまとチームの間で最初に具体的に揃えることです。
同じ言葉を使っていても、それぞれが期待している成果は異なることがあります。目的や優先順位を丁寧に確認し、専門的な内容は相手の業務に置き換えて説明する。できるだけ早い段階でたたき台を共有し、認識がずれないようにしています。
社内にも、それぞれの専門性を尊重しながら、立場に関係なく相談できる雰囲気があります。上司との距離も近く、1on1の機会も多いですね。部門の責任者やプロジェクトのリーダーとも、進捗だけでなく、自分が感じていることも含めて話しています。
働き方の自由度も高いと感じます。私はリモート勤務が中心で、同じ部署には北海道で働いている先輩も。副業をしている方もいますね。効率とアウトプットを重視しながら、自分なりの仕事の進め方を任せてもらえる環境だと感じています。
専門性を深め、知らない領域にも踏み出す

今後はまず、生成AIの実装力をさらに高め、プロジェクトの中で価値を出せるAIアーキテクトになりたいです。その先には、AI技術の観点から会社全体をリードできる存在を目指しています。
長期的には、AI活用を事業や意思決定を支える基盤にまで広げ、組織全体でAIを活用できる状態をつくっていきたい。専門性を高めながら、少しずつ責任の幅も広げていくイメージです。
一緒に働きたいのは、自分の専門性を大切にしながら、知らない領域にも興味を持ち、ゼロから学べる方です。
お客さまの課題には、最初から正解が決まっていないものも多くあります。自分の意見を持ちながら、異なる意見にも耳を傾け、どうすれば前に進められるのかを一緒に考えられる。そんな方とご一緒したいですね。
余談ですが、2024年にはヨーロッパをクルマで旅行しました。マドリードから南フランスを通ってパリまで、1日およそ500kmを走る旅です。
ただ目的地を目指すのではなく、道中の景色を見て、街の人と接し、その土地のカルチャーを肌で感じる。知らない領域に興味を持ち、実際に自分で足を踏み入れてみるという姿勢は、仕事でも旅でも同じなのだと思います。
※こちらのインタビューは、2026年9月に行いました。(撮影場所 WeWork 日比谷FORT TOWER)