データベース化とは? - 種類や必要な状況・メリット・デメリットを詳しく紹介 -
データベース化とは、企業内に散在する大量のデータを一箇所に集約し、構造化して整理・管理するプロセスのことです。 データの検索性や共有効率を劇的に高め、ヒューマンエラーを防止する役割を持ちます。
本記事では、リレーショナル型やカラム型といった主要なデータベースの種類から、DBMSを活用してデータ集約を行うメリット、導入コストやセキュリティ対策などのデメリットまでを網羅的に解説します。自社のDX推進に欠かせないデータベース設計の基礎を学びましょう。
データベース化とは
データベース化とは、「大量のデータを、1ヵ所に集めて整理整頓すること」です。データベースとは、構造化したデータ項目が集まった組織的な集合のことを意味します。
OracleやSQL Serverなどのデータベース管理システム(DBMS)などの製品を導入して、データを管理する組織も多いです。システムに格納した情報を取り出したり、他システムに連携したりするために、SQLなどのプログラミング言語を使って効率化を図ることも可能です。
おもなデータベース
ここでは、現在主力となっているデータベースについて解説します。
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- リレーショナル型
- カラム型
データベースの種類を把握することで、自社の状況に必要なデータベースを判断することができるでしょう。

表1. おもなデータベース
| 種類 | 特徴と詳細 |
|---|---|
| リレーショナル型 | Excelのように列と行の表形式でデータを格納する一般的な方式。複数表の関連付けなど柔軟なデータ操作が可能だが、構造が複雑なため処理速度が低下しやすい。 |
| カラム型 | 列方向にデータを格納する方式。データウェアハウス等での集計・分析やデータ圧縮に優れる。一方で、行単位のデータ抽出には向かない。 |
リレーショナル型
リレーショナル型は、近年一般的になりつつあるデータベースです。データベースといえば、リレーショナルデータベースのことを表している場合も多いでしょう。列と行で構成されて、セルにデータが格納されている、Excel(エクセル)の表のようなデータベースです。列で共通しているデータをExcel(エクセル)の関数のようなものを使って、複数の表を同時に関連付け、レポートなどに表示することもできます。
リレーショナル型は、従来の階層型やネットワーク型とは異なり、「柔軟なデータの取り扱い」が可能です。ただし、単純な構造であった階層型やネットワーク型に比べて、プログラムが複雑になる傾向があり、処理が低下しやすいと言う点もあります。
カラム型
カラム型は、列方向にデータを格納して扱うデータベースです。データを集約して整理するデータウェアハウスなどの用途に使われています。たとえば、特定の列の値を集計する、テーブルの複数列の情報を取り出す作業が得意です。列方向の処理には強いものの、行データを取り出す処理には向いていません。 また、圧縮処理に強いのも特徴の1つです。
列方向のデータは、半角数字や文字列など、文字型が統一されているものが多く、似たデータが多いため、圧縮効率が高いと言われています。近年では、データ集計作業に強く圧縮効率も高い、カラム型データベースへの注目が高まっています。

データベース化が必要になる3つのケース
ここでは、データベース化が必要になるケースを、以下3つに分けて解説します。
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- 膨大なデータの集約
- データ共有・共同作業
- データの整合性維持
自社の状況と照らし合わせてみて、データベース化の必要性を考えてみましょう。
膨大なデータの集約
膨大、かつ業務やITシステム単位にそれぞれ管理されているデータを集約したい場合、データベース化することが適しています。データベースを作成すれば、「過去に複数のシステムで管理していたさまざまな形式のデータが膨大すぎて扱えない」という課題を解決することができます。
例えば、あらゆる形式のデータを1ヵ所の領域に格納することによって膨大なデータの整理が可能となり、業務効率化を図れるでしょう。データベース化は検索性にも優れており、目的のデータがすぐに見つけられる・データの扱いが楽になる、というメリットもあります。
データ共有・共同作業
データ共有・共同作業したい場合もデータベース化が適しています。例えば、1つのデータを複数人で共有して同時に作業をしたい場合、データベース化を行えば簡単にできるでしょう。
データベース化せずに個人単位でデータを管理している場合は、都度ファイル単位で共有するための操作が必要になります。データベースシステムで一元管理されているデータは、ファイル単位の共有設定をすることなく、簡単に共同編集することが可能です。
特に、Webデータベースサービスの場合は、複数人の利用を前提としており、操作性も簡単です。編集・更新履歴も管理者が簡単に把握できます。誤ってデータを変更した際もすぐに元の状態に戻すことができます。
データの整合性維持
データの整合性維持を考えている場合も、データベース化が適しています。データベースに登録されているデータは更新履歴を把握できるため、登録された情報に対して、「変更が加わっていない状態であること」、「元のままのデータである」、という有効性を確認できます。
そのため、信頼されているデータとして扱うことができます。データベースのデータは登録したデータが正確であるか、もしくは不正に改ざんされているものかを効率よく判断することができます。
データベース化のメリット

ここでは、データベース化のメリットを解説します。
表2. データベース化のメリット
| メリット | 詳細と効果 |
|---|---|
| ヒューマンエラー防止 | 入力規則を設定して誤入力をエラー判定。エクセル等の手動管理で発生しがちな、意図しない書き換えや上書き、データの欠如を防止する。 |
| ログ管理 | アクセス履歴や編集履歴をログとして保管。不正アクセスの特定が容易になり、データの信頼性を高く保つことができる。 |
| バックアップ | データを圧縮して一括バックアップするため、取得時間を大幅に短縮。万が一データベースが破損した場合も、指定データからの復旧(リストア)が容易。 |
| データの集約・管理 | 関連情報を紐づけて一元管理。1箇所の変更が複数テーブルへ同時反映されるため、データを探す時間や重複データを書き換える手間を削減できる。 |
| 検索が容易 | データ形式が統一されており、キーワード指定で即座に検索可能。SQLなどのデータベース言語を用いることで、必要なタイミングで自在にデータを抽出できる。 |
| 分析・活用 | データの抽出・集計・グラフ化が容易。企業の膨大なデータを扱いやすい形に落とし込むことで、経営層の迅速な意思決定を大いに支援する。 |
それでは、1つずつ解説していきます。
ヒューマンエラー防止
メリットの1つ目は、ヒューマンエラー防止です。例えば、データベース上で「この列には数字のみ入力可能」などと入力規則を設定すれば、数字が入力された場合のみにシステムがOKと判断してくれます。誤って文字列を入力した際にはエラーとなるため、間違いを防ぐことが可能です。また、エクセルなどの手動管理の場合、意図しない書き換えや上書き保存、データの欠如が発生することもあります。データベース化で入力規則によるミス防止やデータの整合性を保てるなど、ヒューマンエラー防止が可能です。
ログ管理
メリットの2つ目は、ログ管理です。データベースはログ管理機能としても優れています。例えば、データベースのテーブルに格納されたデータに対して、アクセス履歴・編集履歴などをログファイルに任意に残して、保管することが可能です。不正アクセスの特定も容易に行えるため、登録されたデータは信頼性の高いデータとして扱うことができます。
バックアップ
メリットの3つ目は、バックアップです。データベースはバックアップも容易に行えます。データベース化されていない複数の業務システムの大量なデータをバックアップすることは、膨大な時間がかかります。
また、大量のデータからバックアップの対象を限定することも、非常に手間がかかります。データベースに登録されたデータは、データベースごとに圧縮してバックアップできるため、バックアップ取得の時間も少なく済みます。もしもデータベースが壊れた場合は、バックアップデータを指定してリストアすることもでき、復旧も容易に行やすいというメリットがあります。
データの集約・管理
メリットの4つ目は、データの集約・管理です。データベース化は、データベースに保存したデータを関連した情報に紐づけして集約することでデータの管理も容易に行えるようになります。
1つの情報を変更すれば、ほかのテーブルを意識することなく、複数のテーブルに同時反映することも簡単にできます。どこに何のデータがあるのかフィルターなどですぐ特定できるため、便利に使えます。従来のシステムのように、データを探す時間も、同じデータを何ヵ所も書き換える手間も必要もありません。
検索が容易
メリットの5つ目は、検索が容易なことです。データベースは、検索性にも大変優れています。データの形式が整っているため、キーワードを指定するだけで必要な情報をすぐに探し出すことができます。
データベース言語を使えば、取り出したいデータを組み合わせて、必要なタイミングでデータを取り出すこともできるでしょう。データベース化は検索性にも強みを発揮します。
分析・活用
メリットの6つ目は、分析・活用です。データベース化したデータは、簡単にデータを取り出して分析することができます。例えば、指定したデータの取り出し・データを関連づけた集計・グラフ化も容易に行えます。
これまで扱うことが難しかった企業の膨大なデータをデータベース化して分析し扱いやすい形にすることで、経営層の意思決定にも大いに役立つでしょう。
データベース化で注意すべきデメリット

ここでは、データベース化で注意すべきデメリットについて解説します。
表3. データベース化で注意すべきデメリット
| デメリット | 注意点と対策 |
|---|---|
| コストが発生する | 初期のシステム構築費やソフトウェアのライセンス費用が必要。物理サーバ(オンプレミス)かクラウドかにより、維持費や通信費、データ量に応じた運用コストを計算して選択する必要がある。 |
| システム管理者の負担増 | 利便性が向上する反面、専門知識を持つ管理者の配置が必須となる。社内に知識豊富な担当者がいない場合は、外部業者への委託などを含めた体制構築が必要。 |
| セキュリティ対策が必要 | 機密情報を守るため、アクセス権限・認証機能の設定やログ監視、アラート通知などの実装が必要。クラウド型の場合は自社でのデータ防御策や従業員への意識教育が重要。 |
データベース化する際は、デメリットをしっかりと理解してから自社の活用に役立てることをおすすめします。
コストが発生する
デメリットの1つ目は、コストが発生することです。例えば初期導入時にデータベースシステムの構築、設備の準備などの費用がかかります。また、データ管理をするためのデータベースソフトウェアを導入する際は、商品ライセンス費用も必要になるでしょう。また、オンプレミス型にするのか、クラウド型にするのかによって、以下のコストも合わせて発生します。
表4:データベース化で主にかかるコスト
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状況 |
コスト |
|
物理サーバを一から購入する場合 |
ハードウェアの準備・設計・構築・運用費 |
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クラウド型サービスの場合 |
初期費用・ランニングコスト・通信・データ入出力の量や頻度 |
データベース化する際は、サービスに必要なパフォーマンスやデータの登録量なども踏まえて、必要なスペックやデータベースシステムを決める必要があります。また、コストがいくらかかるのかを計算した上で、自社が何を選択するか決定することが重要です。
システム管理者の負担増
デメリットの2つ目は、システム管理者の負担が増えることです。データベース化の利便性は高まるものの、データベースシステムを管理する担当者が必要になるからです。
元々データベースを開発していたなど、データベースの知識が豊富な管理者であれば、追加開発することも容易かもしれません。しかし、データベースの知識を持っている担当者が欠けている場合は、外部の業者に委託するなどの対応が必要です。
セキュリティ対策が必要
デメリットの3つ目は、セキュリティ対策が必要なことです。データベース化にあたっては、機密情報が含まれたデータを守るためにも、セキュリティ対策を向上させることも考える必要があります。考えられる主な脅威としては、外部からの不正アクセス・内部からの不正操作・システム障害の特定などがあります。
セキュリティ対策を向上させる方法としては、利用者に応じた適切なアクセス権限や認証機能をもたせること、データベースシステムのログファイルを監視すること、必要なタイミングで管理者にアラートを通知する、などが挙げられます。
特に社内ネットワークではなく、Webブラウザなどを通じて社外ネットワークでアクセスするクラウド型の場合は、サービス自体のセキュリティ対策は提供会社が実施してくれます。しかし、中に登録されたデータは自社で守るためのセキュリティ対策を実装する必要があること、従業員へのセキュリティ意識の改革のための教育などが重要となるため、注意しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1: エクセル(Excel)でのデータ管理とデータベース化の違いは何ですか?
A1: 最大の違いは、「複数人での同時アクセス性」と「データ処理の堅牢性」です。エクセルは少人数での簡易な表計算に向いていますが、データ量が膨大になると動作が遅延し、ファイルの破損や先祖返りのリスクが高まります。一方、データベース管理システム(DBMS)を導入すれば、数百万件のデータでも高速に処理でき、厳密なアクセス権限の管理や安全な同時更新が可能になります。
Q2: データベース化を外部パートナーに委託する際の注意点は何ですか?
A2: 最も重要なのは、「自社のビジネス目的とデータ活用要件を事前に明確にしておくこと」です。単に既存のデータを移行するだけでは、後から分析しにくい構造になるリスクがあります。利用するBIツール、将来的なデータ量の増加(スケーラビリティ)、求めるセキュリティ水準を外部パートナーと綿密にすり合わせることがプロジェクト成功の鍵となります。
Q3: リレーショナル型とカラム型データベースはどのように使い分けるべきですか?
A3: 「行単位の確実な処理(トランザクション)」か「列単位の高速な集計(分析)」かで使い分けます。顧客情報の登録や更新など、日々の業務システムで一連のデータを確実に追加・更新したい場合は「リレーショナル型」が適しています。一方、膨大な売上データから特定の商品の推移を高速に集計したいようなデータウェアハウス(DWH)用途では「カラム型」が圧倒的に有利です。
まとめ
企業の膨大なデータを活用するためには、データベース化で情報を整理整頓することが大切です。しかし、データベースに慣れていない担当者が実施すると、膨大な時間がかかる場合があります。その場合は、外部パートナーを活用すれば、自社にスキルがなくとも、経験豊富な外部パートナーが自社に合った方法を提案してくれます。
インキュデータは、顧客データ統合基盤の導入とデータベース化やデータ活用に強みを持ったデータコンサルティングファームです。自社のデータベースを高度化したい方はぜひご相談ください。















