INCUDATA Magazine_000178_Webサイトやサービスの新規顧客獲得に効果あり - 普及が加速する「ソーシャルログイン」を知る

Webサイトやサービスの新規顧客獲得に効果あり - 普及が加速する「ソーシャルログイン」を知る -

マーケターの多くは、インターネット上に展開している自社のWebサイトやサービスの登録者数を増やし、維持したいと考えていると思います。そうしたマーケターに注目していただきたい手法の一つが「ソーシャルログイン」です。ここでは、ソーシャルログインの基礎的な理解を深めていただくための情報をお届けします。

従来のログイン環境が抱えてきた課題

ソーシャルログインについてお話しする前に、従来のログイン環境の課題について簡単にまとめておきます。

企業のWebサイトやサービスに対する従来のログイン環境は、Webサイトやサービスごとに個別に用意されるのが一般的です。そのためユーザは、Webサイトやサービスごとに個人情報を入力してID・パスワードを設定しなければならず、登録が面倒である上に「異なる複数のID・パスワードを覚えていられない」といった問題を抱えています。

このような問題があると、ユーザはよほどの必要性を感じない限り、Webサイトやサービスに登録(あるいは再登録)しようとしなくなります。結果として、企業にとっては自社のWebサイトやサービスにおける新規会員獲得や会員維持のハードルが上がり、生活者やユーザを理解するためのデータがなかなか集められないという状況に陥りやすくなります(図1)。

1:従来のログイン環境の課題

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ソーシャルログインがもたらすログイン環境の変革とメリット

ソーシャルログインとは、Yahoo!やLINEFacebookGoogle Twitterなど、生活者が普段から使い慣れているSNSプラットフォームのアカウントを使い、企業がインターネット上で展開するWebサイトやサービスにログインするための仕組みです。

ソーシャルログインを使い、すべてのWebサイトやサービスのソーシャルログインの機能を提供することで、図1で示したような従来型ログイン環境の課題を一挙に解決することが可能になります(図2)。

2:ソーシャルログインの仕組みとメリット

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ユーザは、普段から使用しているSNSプラットフォームのアカウントを使って、さまざまなWebサイトやサービスにログインできるので、個人情報をはじめ、ID・パスワードなども毎回設定する必要がなくなります。これにより、Webサイトやサービスの会員になる意欲が高められ、結果として、企業はWebサイトやサービスの新規会員獲得と維持のハードルを下げることができます(図2)。

ソーシャルログインを導入すれば、SNSのログインデータを自社のデータとして取得してマーケティング施策に活用できるという利点があります。また、ソーシャルログインではSNSプラットフォームが提供しているセキュアな認証の機能を自社のWebサイトやサービスの機能として使える点も大きなメリットです。

こうした数々の利点から、国内外を問わず多くの企業がソーシャルログインの採用に乗り出しており、すでに大きな効果を手にしています。例えば、国内のある通販会社ではソーシャルログインの採用でeコマースサイトの新規会員獲得数を2倍以上に増やし、海外のある化粧品会社ではeコマースサイトの再ログイン利用者数を従来の10倍近くに増大させています。

ソーシャルログイン導入を巡る課題と課題解決の術(すべ)

もっとも、ソーシャルログイン導入には乗り越えるべき課題があります。それは、自社のログインの仕組みにソーシャルログインの機能を追加したり、導入後のメンテナンスを行ったりするのに相応の手間がかかることです。特に、主要なSNSプラットフォームは不定期かつ頻繁に仕様を変更するので、その都度ログイン機能を追随させるだけでも大変です。

このような課題を解決するための術(すべ)が、企業のWebサイトやサービスへのソーシャルログインの適用をサポートするSaaSSoftware as a Service)の力を借りることです。これにより、自社のWebサイトやサービスに対するソーシャルログイン機能の適用が容易になるほか、SNSプラットフォームの仕様変更への対応もSaaS側で行われますので、それに煩わされることもなくなります。

ソーシャルログインを導入する意義

本サイト掲載コラム『マーケターなら知っておくべき「プライベートデータ保護」の動向』でも触れたとおり、現在、プライベートデータ保護の動きは法的にも、Appleや Google などの大手プラットフォーマーの間でも強化される方向にあります。多くのマーケターが生活者やユーザの行動分析などに使用してきた3rdパーティCookieは「本人の同意がないまま収集され、第三者に提供され、使用されている可能性のある“グレー”なプライベートデータ」として、実質的に使用できなくなりつつあります。そのため企業は、自社のWebサイトやサービスを使い、個人情報保護の原理原則に則ったかたちで生活者やユーザのプライベートデータを収集していく必要性が高まっています。

ソーシャルログインは、ユーザの会員登録やログインに対するハードルを下げると同時に、企業が生活者やユーザのプライベートデータを収集する能力を高めることにもつながります。マーケターにとって、ソーシャルログインの導入は企業のデータ収集をバックアップする仕組みの一つではありますが、マーケティング施策に活用できる“クリーン“なデータを収集していく上でとても大きな意義のある取り組みだといえます。

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