INCUDATA Magazine_000581_データ解析の意味は?メリットや代表的手法も解説!

データ解析の意味は?メリットや代表的手法も解説! -

目次

今や、ビジネスにおいてデータを活用する重要性はますます高まっています。データ活用において、欠かせないことはデータ解析です。データ解析を行うことで、データを単に収集・整理するだけに留まらず、課題解決につなげられるでしょう。ただ、データ解析の具体的なメリットがよくわからない方もいるかもしれません。また、データ解析にはさまざまな種類がありますが、それぞれの特徴を理解しながら把握したいところです。

そこでこの記事では、データ解析の意味やメリット、代表的手法や注意したいポイントを解説します。

データ解析の意味

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データ解析は、多種多様なデータの分析結果より、一定の法則や共通点を見つけて問題解決に役立てることです。分析することに留まらず、課題解決の施策を立案するまでを含めた概念と言えるでしょう。ここでは、データ解析をさらに深く知るための知識として、以下の2つを解説します。

    • データ分析との違い
    • ビッグデータとの関係

それでは、1つずつ解説します。

データ分析との違い

データ分析とデータ解析には、以下の違いがあると説明される場合があります。

▼分析と解析の違い

分析 構成要素を明確にし、問題点を絞り込むこと。
解析 分析の結果判明した問題点を、さらに詳細に調べて真の原因を探り当てること。

このように、分析結果を基に解析を行うとされることもありますが、実際にはさほど明確に使い分けがなされてはいません。

関連記事:データ分析の手順を5ステップで解説! - 主な手法や成功ポイントを理解してビジネスに活用

ビッグデータとの関係

データ解析においては、ビッグデータも重要なキーワードになることがあります。ビッグデータとは、以下の3Vの性質を有するデータです。

▼ビッグデータの3V

Volume 膨大なデータ量
Velocity データ発生頻度
Variety データ多様性

また、最近では3Vに加えて以下に2つの特徴を加えて、5Vと表現することもあります。

▼5Vの構成要素(3Vと重複しない要素のみ)

Veracity データ内容の正確性
Value データの有用性

ビッグデータには、画像や音声などの非構造データが含まれることも特徴で、解析対象のデータが多種多様である分、解析手法も多数存在します。

関連記事:ビッグデータを自社サービスに活用!扱うデータの種類や分析ポイントなどとともに解説

データ解析を行うメリット

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ここでは、データ解析を行うメリットとして、以下の3つを解説します。

    • データに基づく将来予測
    • 効率化やビジネスチャンス創出
    • 素早い意思決定

それでは、1つずつ解説します。

データに基づく将来予測

データ解析から見出した法則性を活用し、予測の精度を高められます。例えば、季節ごとの売上予測をデータから正確に予測できれば、最大限売り上げをあげつつ過剰な在庫は削減できるよう、常に最適な形で材料の購入量を調整できるでしょう。

効率化やビジネスチャンス創出

社内業務においても、データ解析によって業務のボトルネックとなっている部分を発見できれば、業務効率化を推進できるはずです。また、データ解析で売り上げのよい商品の特徴などを発見できれば、より売れる商品を開発できる確率を高められます。そのため、ビジネスチャンス創出にもつながるといえます。

素早い意思決定

データ解析は、ビジネス上の意思決定を素早く実施したい場合にも有効です。ビジネス上のデータを使用し、解析を行うことで、統計的に客観的な判断材料を得られます。これにより、感覚にとらわれず素早く意思決定を行えるようになるでしょう。

データ解析の代表的手法

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ここでは、データ解析の代表的手法として、以下の8つを解説します。

    • 決定木分析
    • RFM分析
    • 回帰分析
    • クラスター分析
    • アソシエーション分析
    • バートレット検定
    • ランダムフォレスト
    • SVM

それでは、1つずつ解説します。

関連記事:CRM分析とは?目的や代表的手法も併せて解説

決定木分析

決定木分析は、「分類木」と「回帰木」を組み合わせたツリー図(樹形図)を用いて、どの要素がどの程度影響を与えているか解析する手法です。

▼分類木と回帰木の意味

分類木 複数の条件と、その条件下での選択(YES/NO)を分類するものです。
回帰木 ある条件とその選択結果に対し、新たな条件と選択結果を設定して階層的につなげるものです。

RFM分析

RFM分析は、以下の3指標より顧客を分類し、顧客をランク付けする分析手法です。

▼RFM分析の3指標

Recency 直近の購入日。近いほど優良顧客とみなされます。
Frequency 購入頻度。高いほど優良顧客とみなされます。
Monetary 購入累計額。多いほど優良顧客とみなされます。

以上3指標を総合的に判断し、より優良と判断された顧客は重点的にケアすべきと判断できます。また、顧客の特徴も判断できるので、マーケティング施策立案にも有効です。

回帰分析

回帰分析は、要因を表す「説明変数」と結果を表す「目的変数」を用いて、将来予測に資するデータ解析を行う手法です。回帰分析には、例えば以下に示すとおり変数の数や種類に応じ、さまざまな手法が含まれます。売り上げや来場者予測などに、回帰分析を役立てましょう。

▼回帰分析の手法例

 ・ 単回帰分析
 ・ 重回帰分析
 ・ ロジスティック回帰

クラスター分析

クラスター分析は、さまざまな性質の個体が混ざった集合体の中から、似た特徴の個体を集めてクラスター(集団)をつくって解析する手法です。性別や年齢などの外的要因ではなく、「ヘルシー志向」や「アニメ好き」などの内的要因でグループピングすることがポイントです。クラスター分析には以下の2種類があります。ビッグデータでクラスター分析を行う場合は、「非階層分析」が一般的です。

▼クラスター分析の種類

階層分析 解析過程で、小クラスターから大クラスターに分類するものです。
非階層分析 事前に複数のクラスターを想定してから、振り分けをするものです。

アソシエーション分析

アソシエーション分析は、無数のデータ同士から関連性を見出す手法です。「Aという条件下ではBという現象が発生する」という関連性を、支持度(全体のうちそのルールどおりになる割合)や確信度(Aの条件下でBになる割合)などを使って評価します。アソシエーション分析により、「オムツを買う客がビールもついでに買うことも多い」など、想定外の関連性が発見されることもあります。

バートレット検定

バートレット検定は、3項目(3群)以上のデータについて、分散がそれぞれ均一か確認する手法です。T検定や分散分析などの分析手法を用いる前段で、データの分散具合を確かめるために用います。バートレット検定の類似手法にF検定がありますが、F検定では2項目(2群)に対し分散具合が等しいか確認します。

ランダムフォレスト

ランダムフォレストは、ビッグデータからランダムにサンプルを抽出し、決定木で各サンプルを分析するものです。分析結果を用いて、多数決もしくは平均から将来予測に役立てます。複数の分析を組み合わせることで精度向上が期待できる手法で、機械学習の分野でよく用いられています。

SVM

SVM(サポートベクターマシン)は、データ解析時に外れ値を取り除くことで、解析精度を高める解析手法です。機械学習の分野でよく用いられています。

データ解析において注意したいポイント

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ここでは、データ解析において注意したいポイントとして、以下の2つを解説します。

    • データ解析前にデータ処理を実施
    • 情報漏えい対策を徹底

それでは、1つずつ解説します。

データ解析前にデータ処理を実施

データ解析目的に合致しないデータや、誤表記や重複、欠損などがあるデータが入っていると、正確なデータ解析は期待できません。また、非構造化データがあると、機械で効率的に解析を行うことは困難です。そこで、データ処理を行い、目的に沿った正確な構造化データのみそろえるようにします。これにより、早く正確にデータ解析を実施できるでしょう。

関連記事:非構造化データとは? - 定義から構造化データとの違い・活用における課題などについて解説

情報漏えい対策を徹底

データの中には、顧客情報や企業の重要情報が含まれているケースもあるかもしれません。そのような重要なデータが含まれている場合は、特に対策を徹底しましょう。万が一、重要な情報が漏えいした場合は、企業経営に大きな影響が出る恐れがあります。また、そのためには個人情報を適切に取り扱うことも欠かせません。データセキュリティとデータプライバシーの両面で、情報の適切な管理や漏えい対策を徹底しましょう。

関連記事:【2023年度版】データプライバシーの意味や関連する法律・トレンドについて解説

まとめ

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本記事では、データ解析の意味やメリット、代表的手法や注意したいポイントを解説しました。多種多様なデータの分析結果より、一定の法則や共通点を見つけて問題解決に役立てることが、「データ解析」です。将来予測やビジネスチャンス創出、さらには素早い意思決定と、データ解析を活用することで、ビジネスシーンに多くのメリットがもたらされるでしょう。

データ解析手法にはさまざまなものがありますが、データ解析目的に応じて最適な手法を選択しましょう。また、手法に応じて必要なデータの種類も異なることと、データ処理を行わないと正確な解析が困難であることにも留意してください。併せて、情報漏えいが発生すると企業の信頼低下を引き起こしかねないので、データプライバシーの管理や情報セキュリティ対策も忘れずに行いましょう。

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