INCUDATA Magazine_000366_「DXの進め方」を分かりやすく解説!

「DXの進め方」を分かりやすく解説! - メリットや成功のポイントも紹介

DXは今後の企業の存続・成長に不可欠ともいえるものです。しかし「進め方がよく分からない」という方もいることでしょう。

そこでこの記事では、「DXの進め方」について分かりやすく解説します。DXをベースにして、既存の枠組みにとらわれない、時代の変化に対応できるビジネスモデルや企業風土の変革に取り組むことが、他社に先んじた競争優位の確立につながります。

DXがもたらすメリット

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DXがもたらすメリットは、大きく「顧客体験の最適化」と「業務の効率化」の二つに分けられます。ただし、DXを推進するためは、この二つが持つ意味合いの違いをよく理解しておくことが大切です。

ここでは、ビジネスにおけるDX化について説明した上で、「業務の効率化」と「顧客体験の提供」について具体的に解説します。

ビジネスのDX化とは?

DXと先進的なITを導入するのでは、どのような違いがあるのだろう」と考える人もいるでしょう。確かにDXには従来のIT化と同様、「業務の効率化や自動化によるコスト削減」という側面もあります。

ただし、従来のIT化は「業務の効率化や自動化によるコスト削減」が主たる目的でした。これに対してDXは、「デジタル技術を活用して企業のビジネスモデルや業務、組織そのものを変革する」ことが最終的な目的です。極端な言い方をすれば、「業務効率化やコスト削減」はその過程における通過点であり、副産物にすぎません。

業務の効率化

DXでは全社での一元的なデータ管理や利活用が前提となるため、個別の業務やワークフロー全体のデジタル化が欠かせません。RPAAIIoTといったデジタル技術を導入することにより、必然的に人手に頼った作業は削減され、コスト削減や効率化も進みます。

結果が見えやすい業務改善の部分から着手することは、社内にDX推進の意識を浸透させる意味で大切です。ただし、デジタル技術による業務の効率化は、基本的に既存事業のコスト効率を高める「守りのDX」です。それだけを追求して、部門ごとに最適化して全社的な連携が取れないデジタル化を進めてしまっては意味がありません。

業務の効率化を、顧客満足度の向上を目指す「攻めのDX」と融合させることが重要です。そのためには、業務の効率化も顧客理解を起点に進める必要があることを忘れないようにしましょう。

顧客体験の提供

デジタル技術を利用して一元的に集約したデータを活用して、顧客理解を起点に考えると、事業やサービス、企業組織の抱える課題が具体的に見えてきます。その課題解決に取り組むことにより、より深化した顧客体験を提供することができるでしょう。

全社的に一元化した顧客データを活用し、顧客体験やマーケティングのデジタル化を進め、顧客満足度を高めることが、新たな価値創出や収益基盤確立のための重要なポイントとなります。

DXの進め方|具体化するための七つのステップ

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DXは、ビジネスモデルや組織風土の変革を目指すものであるため、部門単位ではなく企業全体が一丸となって取り組まなければなりません。ここでは、取り組みをスムーズに進めるための手順を、七つのステップに分けて解説します。

スタート部分に当たる「目的やビジョンの設定」「経営トップの承認と積極的な関与」といったステップをおろそかにすると、実施段階で迷走する要因となることが多いので注意しましょう。

Step1】目的やビジョンの設定

DXを進めるための起点は、「企業として顧客にどのような価値を提供できるか」という目的やビジョンを明確にすることです。それは、DXによってビジネスモデルや企業組織を変革した後、「どのような形で競争優位を確立するのか」を、具体的にイメージすることだといってもよいでしょう。

最終的に達成したい目的が明確になっていないと、他社の動向や新たに登場したテクノロジーを気にして軌道修正を重ねるうちに、DX化あるいは従来的なIT化自体が目的になってしまいかねません。明確な目的やビジョンなしに「DXがブームなのでわが社も取り入れよう」といった形での安易な取り組みは絶対に避けるべきです。

Step2】経営トップの承認と積極的な関与

DXにより目指すのは、ビジネスモデルや企業組織の変革であるため、取り組むに当たって経営トップの承認は不可欠です。また、既存事業の縮小や譲渡、人員の配置転換を伴う変革は、総論賛成・各論反対という状況になりがちです。このため、経営トップには単にDXへの取り組みを承認するだけでなく、より能動的・積極的に関わることが求められます。

例えば、DXを効率的に進める環境づくりです。具体的には、組織の垣根を超えたDX推進部門への人員配置や予算配分による体制整備、一定レベルの改革は社内稟議や従来の慣習にとらわれず着手できる権限委譲などが挙げられます。

どんなに体制を整えても、目に見える成果が上がらなかったり、人材流出などが起こったりすれば、社内に反発や動揺が生じることもあるでしょう。そのようなときにこそ、経営トップは変革への明確な意思を示し、強いリーダーシップを発揮しなければなりません。

Step3DX戦略の立案

最初に設定した目標・ビジョンと会社の現状、解決すべき課題に基づいていて、DXを推進する具体的な戦略を立案します。効率的に実行するためには、戦略立案の段階でロードマップなど時間軸を織り込んだ具体的な計画にしておくことが重要です。

戦略を立案する際には適宜、経営トップにも加わってもらい、目的や進め方のイメージを具体的に共有するようにします。戦略立案に関与し詳細を知ることは、経営トップの参画意識を高め、難しい状況での判断がぶれるリスクの低減につながるでしょう。

Step4】顧客体験シナリオの設計〜現状と比較したアクションプランの策定

立案したDX戦略に基づいて、目指すべき顧客体験シナリオを設計します。その際、マーケティング、営業、IT、顧客サポートなど関係する部門からメンバーを集め、多様な視点からのアイデアを共有しながら作業を進めるとよいでしょう。

目指すべき顧客体験シナリオと現状の顧客体験をシナリオを比較することにより、不足していることや解決すべき課題が浮かび上がってきます。それらをベースに理想的な顧客体験を提供するための取り組みの方向性を整理し、実現性や業務へのインパクトなどを考慮してアクションプランを策定します。

Step5】業務・ワークフローのデジタル化推進

戦略やアクションプランに基づき優先順位を決めた上で、アナログで行っている業務のデジタル化に着手します。その狙いは、DXの目的・ビジョンに沿ってシステムやデータを最適化していくことです。単にアナログの仕組みをデジタルに置き換えるだけに終わっては意味がありません。

そのためには、以下のような点を明確にして取り組むとよいでしょう。

    • DX戦略を実現するための一貫性のあるIT基盤を構築する
    • データの取得や分析に際し、IT基盤の戦略的な活用ができるようにする
    • データから顧客の状況やニーズを把握をできる仕組みにしていく
    • データから得られた知見をベースに意思決定できる文化を形成していく

Step6】深化した顧客体験の提供

業務のデジタル基盤が整ったら、顧客満足度の向上を図るため、データやデジタル技術を活用した深化した顧客体験の提供やマーケティングのデジタライゼーションを推進します。

デジタル技術を活用して既存事業の強みに磨きをかけ、さらなる顧客満足度の向上を追求するとともに、新たに強みを発揮できる領域を開拓していくことも大切です。双方にバランスよく取り組むことによって、収益の安定的な拡大が可能になるのです。

Step7】継続的に見直し・更新を行っていく

進化した顧客体験やマーケティングのデジタライゼーションにより、狙いどおりの成果が上がるようになれば、初期の目的は達成したといえるでしょう。しかし、それは永続的な成功を保証するものではありません。

データを活用する文化・仕組みを起点にして市場や社会環境の変化をキャッチアップしながら、新たなテクノロジーやツールを取り込み、継続的に見直し・更新を図っていくことこそが、企業基盤の確立につながっていくのです。

DXを進める際のポイント

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DXを進めるに当たっては、前の項目で説明したステップごとにポイントがありますが、ここでは全般にわたり影響を及ぼすポイントを四つ紹介します。

プロジェクトをスムーズに進めるためには、これらのポイントを経営トップや現場のリーダーと共有しておくことが大切です。

DXに向けた社内体制の整備

DX は業務をデジタル化し、さらにはビジネスモデルや事業を変革する、全社的な取り組みであるため、戦略に基づいた各部門の自主的な取り組みを促すことが大切です。ただし、各部門の積極的な取り組みは投資の重複などを招く可能性があるため、デジタル化の進捗度を一元的に把握してチェック・フィードバックする体制を整備することが必要です。

例えば、DXを推進するための組織横断的なプロジェクトチームを設けたり、関連する情報を確認できるDXポータルを立ち上げたりするのも有効でしょう。

DX人材の確保・育成

DXを効率的に進めるためには、会社や事業の状況に応じて適切なデジタル技術を取り込める人材が必要です。業務を熟知した社員ですべて対応できるのが理想ですが、多くの日本企業ではデジタル技術に精通した人材が不足しているのが実情です。これから自前で育成するのは、先々の運用フェーズのためには有効でも、目の前の改革には間に合いません。

このため、現実的には信頼できる外部パートナーと連携することが、DXを推進する上での重要なポイントとなるでしょう。既存の枠組みにとらわれずに大きな変革を進めるためには、外部の第三者視点による分析・アドバイスが役立つ場合もあります。

先進的なシステム・テクノロジーの取り込み

日本では、レガシーシステム(老朽化した既存のITシステム)に依存している企業がまだまだあります。レガシーシステムは、度重なる拡張・改修によりシステムが複雑化しており、ブラックボックス化しているものも少なくありません。多額の運用コストがかかる一方で、技術的にDXには対応できないという問題も抱えています。

先進的なシステム・テクノロジーの必要性は理解しているものの、費用、人的リソースといった負担と業務への影響の大きさからなかなか踏み切れずにいる企業が多いのも事実でしょう。しかし、長期的な成長戦略に不可欠なものとして、場合によってはトップダウンによる決断で、先進的なシステム・テクノロジーを取り込んでいくことが必要です。

DX化が目標とならないように注意する

DXを推進しなければ時代に取り残され、企業存続すら難しくなるリスクがあるのは確かでしょう。だからといって、自社の現状も考えずに先進企業を模倣するような形で取り組むと、DX 自体が目的になってしまう場合があります。

DXは、デジタル化によって業務プロセスやビジネスモデルの変革を目指すものであることを踏まえて、自社におけるDXの目的やゴールを明確にすることが重要です。目的やゴールが明確でないと、DX化が目標になってしまい、各部門がバラバラにシステムやツールを導入し、新たなレガシーシステムを生み出す可能性もあるので注意しましょう。

外部パートナーを活用してDXを推進しよう

DXを成功させるためには、デジタル化の基盤となるシステムとデジタルを活用したビジネスモデルについての深い知見が求められます。こうした知見がないと、方向性を見誤るリスクも少なくはありません。しかし、デジタル人材が不足する日本では、自前ですべてに対応するのは難しいのが実情です。

このため、現実的には外部パートナーを上手に活用することが、DX成功のために重要となります。外部パートナーを選ぶ際には、「データ活用を見据えて戦略を考えられる」「それを踏まえたシステム構築について自社のIT部門を支援できる」「一元管理したデータを利活用するためのアドバイス、サポートが行える」といったことをポイントに考えるとよいでしょう。

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