INCUDATA Magazine_000457_顧客データとは? - 収集・分析・活用方法や活用事例までまとめて解説

顧客データとは? - 収集・分析・活用方法や活用事例までまとめて解説 -

目次

企業に多く存在する顧客データを、有効活用したいと考える企業担当者も多いでしょう。ですが、顧客データを有効活用してマーケティング活動につなげるには、顧客データの活用方法や分析方法を正しく理解していなければなりません。また、顧客データの活用事例を知っていればより顧客データを活用するイメージがわくのではないでしょうか。

そこでこの記事では、顧客データの意味や種類、活用方法や事例について詳しく解説します。

顧客データとは?

ここでは、顧客データを理解するための基礎知識として、以下の2つを解説します。

    • 顧客データの意味
    • 顧客データの種類

それでは、1つずつ解説していきます。

顧客データの意味

顧客データは、顧客に関する、属性や購買履歴などのデータです。顧客データを正しく分析することで、勘や経験に頼らず顧客のニーズを把握できるでしょう。特に、昨今は顧客のニーズの変化が激しいため、顧客データを用いて速やかにニーズの変化を察知することが重要になっています。

顧客データの種類

顧客データは、大きく分けると以下の2つに分類されます。

    • 定性データ
    • 定量データ

INCUDATA Magazine_000457_顧客データとは? - 収集・分析・活用方法や活用事例までまとめて解説_顧客データの種類

それでは、1つずつ解説していきます。

定性データ

顧客が商品を購入した理由や、不満を感じている点などが、定性データに該当します。定性データは、数値化が困難なデータです。そのため、定性データについて明確な分析結果を出すことは簡単ではありませんが、顧客の感情やニーズを読み解くために有効です。

定量データ

定量データは、明確に数値化できるデータです。代表的な定量データは、売上高や販売数、Webサイトのアクセス数などです。時系列や年齢別など定量データを基に顧客を分析して、誰が、いつ、何を、どこで購入したか分かります。

顧客データの収集方法

ここでは、顧客データの収集方法として、以下の2つを解説します。

    • Webサイト
    • 名刺

それでは、1つずつ解説していきます。

関連記事:データの代表的な収集方法を解説!どのようなデータを収集・管理してどう活用すればいい?

Webサイト

Webサイトの資料請求やお問い合わせフォームなどから、顧客データを収集できます。ただ、大量の顧客データを収集できる分、収集した顧客データを有効活用できないケースもあります。そのため、事前に顧客データの収集目的や収集するターゲットを明確化するとよいでしょう。

名刺

対面で交換することが多い名刺も、重要な顧客データです。名刺の情報に加えて名刺交換の際に会話した内容も記録すると、より貴重な顧客データになるでしょう。また、同一人物からの名刺でも転勤などで名刺情報が更新されている可能性があるため、常に最新のデータを閲覧できるよう、こまめに更新しましょう。

顧客データの活用方法

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顧客データを分析することで、効果的な営業戦略を立案できます。例えば、顧客ごとに以下の通り施策を差別化すると、効果が大きくなると考えられます。

 

 

優良顧客
  • 優待サービスにより、リピーターを増やす
  • 新商品訴求やアップセル・クロスセルを狙う
見込み客
  • どのプロセスで失注しているか分析し、契約や購買に至るための改善策を立案する
  • ターゲットに対し適切に訴求できているか分析する

また、マーケティング施策においても、顧客データを活用することで効果を高められるはずです。主な施策例を表にまとめます。 

インターネット広告 個々の顧客に対して、最適なタイミングで最適な内容の広告を出稿する
メールマーケティング 顧客層に応じて、最適なメールをセグメント配信する

関連記事:ビジネスを変えるデータ活用とは? - データがもたらす利益や成功事例を解説

顧客データの分析方法

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ここでは、顧客データの分析方法として、以下の5つを解説します。

  • セグメンテーション分析
  • バスケット分析
  • RFM分析
  • CPM分析
  • デシル分析

それでは、1つずつ解説していきます。

関連記事:データ分析の手順を5ステップで解説! - 主な手法や成功ポイントを理解してビジネスに活用 セグメンテーション分析

セグメンテーション分析は、顧客を特定の指標でグループ分けして分析する手法です。グループ分けの指標としては、年齢や地域、価値観などがあり、分析の目的に応じて適切な指標を用いることが必要です。

バスケット分析

バスケット分析は、顧客の購入履歴やPOSの購買データなどで、顧客の買い物カゴを分析する方法です。消費者行動を分析できるため、例えばある商品とセットで売れる可能性が高い商品を見つけられればレコメンド商品の選定に使えます。

RFM分析

RFM分析は、以下の3つの指標についてそれぞれ、顧客を高・中・低の3つにランク付けすることで顧客をグループ分けする方法です。

  • R(Recency:最終購入日)
  • F(Frequency:購入頻度)
  • M(Money:購入金額)

これらのランクが高いほど優良顧客と考え、グループごとにマーケティング戦略を立案できるのです。

CPM分析

CPM(Customer Portfolio Management)は、前述のRFM分析よりも長期的な顧客育成を重視したい際に有効な分析方法です。顧客を初回現役客や優良現役客などの10段階に分類し、それぞれの顧客区分に基づき適したアプローチ方法を立案します。

関連記事:CPM分析の意味から手順まで詳しく解説! - 長期的視点でLTVを向上!

デシル分析

デシル分析は、顧客の商品購入履歴のボリュームから顧客データを分析する方法です。マーケティングのターゲット選定に役立つ方法で、以下の手順で顧客データを分析します。

  1. 全ての顧客を、購入金額が高い順に整理する
  2. 購入金額順に顧客を10等分する
  3. 各グループの売上構成比より、自社への売上貢献度を把握する

顧客データ活用のポイント

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ここでは、顧客データ活用のポイントとして、以下の4つを解説します。

    • 顧客データ収集・分析目的の明確化
    • データマネジメント体制の整備
    • 過不足なきデータ収集
    • 顧客データの一元管理

それでは、1つずつ解説していきます。

関連記事:データ活用は今や当たり前に!メリットや課題・ビジネスで実施した事例を解説

顧客データ収集・分析目的の明確化

顧客データを収集・分析する目的は、あらかじめ明確にしておきましょう。これにより、どのようなデータをどう収集・分析すればよいか明確になり、作業が効率化します。

また、現場では業務が増えると負担になるため、目的が明確でない業務にはなかなか士気が上がらないものです。しかし、目的を明確に示すことで社内からの協力も得やすくなるでしょう。

データマネジメント体制の整備

顧客データのマネジメント体制を整備しましょう。その際には、顧客データは重要な社内資産であることを共通認識として共有することが必要です。正確な顧客データを大量にそろえることで、より有効に顧客データを使える可能性が高まります。

特に、個人情報を含む重要データの適切な取得や管理体制を敷くことは必須です。

過不足なきデータ収集

目的に沿った顧客データは、過不足なく収集しましょう。例えば、メールアドレスが分かっても、名前や部署が分からなければビジネスには活用できません。また同じデータが何個も保存されている場合は、データ容量の無駄やエラーの原因になるので統一する必要があります。さらには、古いデータや間違いのあるデータは速やかに更新するよう心がけましょう。

顧客データの一元管理

顧客データは、部署別や流入経路別に分けず一元管理しましょう。部署ごとに顧客データを管理すると、以下の不都合が生じる恐れがあります。

    • 部署ごとに連携して、顧客に対し最適なタイミングで最適なメッセージを送ることが困難
    • 自部署の連絡禁止リストに対して他部署が連絡をしてしまう

このように、顧客データの一元管理は、効率的なマーケティング活動だけでなく、顧客からの信頼低下を防ぐためにも必要なのです。

顧客データ活用事例

ここでは、顧客データ活用事例として、以下の2つを解説します。

    • 飲料メーカの事例
    • 高額耐久消費財メーカの事例

それでは、1つずつ解説していきます。

飲料メーカの事例

この飲料メーカでは、オンライン・オフライン双方から得られた顧客データをCDPで統合してきました。顧客のうち、会員登録や関連コンテンツを閲覧するなど特定の行動傾向を持つ顧客に対して、企業の世界観やストーリーを伝える特別なコンテンツを提供しました。これにより、顧客との関係性強化を図ったのです。さらに、これらのエンゲージメントの高い顧客層を教師データにして、他の顧客への育成に反映させ、より高度なマーケティングを実現しています。

高額耐久消費財メーカの事例

この高額耐久消費財メーカでは、オンライン、オフライン双方からCDPで顧客データを蓄積してきました。そのデータから、さまざまなな説明変数を用いて3ヶ月後まで成約客数を予測できる、需要予測モデルを実装しました。また、そのモデルから成約率が高い顧客行動パターンを導き出し、成約が期待される顧客に重点的な接客を行うことに成功したのです。その結果、成約率を3.3倍以上向上させることに成功しました。

まとめ

顧客データを活用するために、収集や分析などを行うには一定の労力がかかります。また、部署を超えて一丸となって顧客データ活用に取り組まないと、成果は期待できません。そのため、顧客データの活用目的を明確化した上で、データ分析の手順を理解してビジネスに活用することが大切です。整備された顧客データを基に、これまで導き出せなかった示唆や新たなビジネスへの活用が見えてくるはずです。

なお、インキュデータは顧客データを含むデータ活用コンサルティングを提供しています。自社のマーケティングにおいて、顧客データを活用したい方やデータプライバシーの保護体制に不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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