INCUDATA Magazine_000566_CDPとCRMの違いは?機能や使い分け方を詳しく解説

CDPとCRMの違いは?機能や使い分け方を詳しく解説 -

目次

顧客データを最大限に活用するためには、CDPやCRMツールを用いることが有用です。しかし、CDPとCRMの違いや、どのように使い分ければ良いのかが分からないという人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、CDPとCRMの違いとそれぞれの機能、使い分け方について詳しく解説します。CDPとCRMのどちらを使うべきか迷っている方や、新たに顧客データの管理ツールを導入したいと考えている方は、ぜひご覧ください。

CDP・CRMとは?

そもそも、CDPとCRMはどういったものを指すのでしょうか。ここでは、CDP・CRMについて以下の三つを解説します。

    • CDPとは
    • CRMとは
    • CDPとCRMの違い

それでは、一つずつ解説していきます。

CDPとは

CDPとは、顧客データ基盤(Customer Data Platform)の略称で、企業が保有する顧客データを収集・統合・分析し、マーケティングや顧客サービスなどの施策に活用するためのプラットフォームです。

CDPは、顧客の理解を深め、顧客データを活用するために重要なツールです。デジタルマーケティングの領域では、データの収集と解析がますます重要になってきているため、CDPを活用する企業は増加傾向にあります。
関連記事:CDPとは?導入目的や機能と併せて解説

CRMとは

CRMとは、顧客関係管理(Customer Relationship Management)の略称で、企業が顧客との関係を構築し、維持するための戦略やプロセス、施策のことを指します。広義では顧客と良好な関係を維持するための施策そのものをCRMと呼びますが、狭義ではマーケティングや営業活動で顧客とのつながりを管理するためのツール(顧客関係管理ツール)もCRMと呼ばれます。

多くの企業は、顧客情報の収集・分析・活用を実施し、顧客との関係を強化して顧客満足度の向上や売上増加を狙うことを目的として、CRMツールを使用しています。

CDPとCRMの違い

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CDPとCRMのツールは、データの範囲と使用目的の面で違いがあります。CDPはオンライン・オフライン、1stパーティデータを中心に・2nd・3rdパーティのデータソースからデータ収集が可能です。それに対し、CRMが収集するデータは、主に企業と顧客との直接的な接点から得た情報です。

まず、CDPは、主にパーソナライズされたマーケティングキャンペーンを作成するために使用されますが、基本的にCRMは営業チームやカスタマーサービス部門などで、企業と顧客との関係を管理するために使われます。

また、CDPは、集約されたデータを基にして顧客の将来的な行動を予測しますが、CRMは、過去の顧客とのやりとりを基にして今後の施策を計画するために活用されます。

CDPとCRMの機能

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CDPとCRMの機能は、どのように違うのでしょうか。ここでは、CDPとCRMのそれぞれの機能を詳しく解説します。

CDPの機能

CDPの機能には、データの収集・統合・分析の3つがあります。一つずつ解説していきます。

データを収集する

CDPの主要な機能としてデータの収集があります。CDPは、企業内のさまざまなシステムから顧客データを中心に収集します。例えば、購買データや会員アプリでの行動データ、営業支援システム(SFA)、顧客関係管理(CRM)システムなどと連携し、顧客データを集めていきます。

さらに、実店舗で得られるオフラインデータをCDPに取り込むことも可能です。多様な手法でCDPにデータを集めることで、より精度の高い顧客のインサイトを得ることができるでしょう。

データを統合する

データの統合も、CDPの重要な機能の一つです。CDPでは、異なるチャネルや接点から収集されたデータを一つの顧客IDに結びつけ、一元化していきます。各チャネルから得られたデータを一つの顧客IDと関連付けることで、顧客の一人一人が異なるチャネルをまたいだ行動や傾向を詳細に把握できます。

こうして統合されたデータを基に、個々の顧客に対してパーソナライズされたコミュニケーションを実施し、顧客体験を最適化するために必要なインサイトを得ることができます。また、CDPのデータは随時更新されるため、顧客の最新の行動やニーズに基づいた迅速な意思決定も可能になるでしょう。

データを分析する

CDPにはデータを分析する機能もあります。分析機能では、収集して一元化したデータ群を相互に比較し、傾向や関連性を調べることができます。統合した顧客データを基に、機械学習の機能を活用して、自動的に顧客を複数のセグメントに分類することが可能です。

データ分析により一定の特性や行動がを共通する顧客グループを見つけ出し、そのグループに対して最適化されたマーケティング戦略を立案することにも役立てられます。

また、行動履歴などのデータを基に、顧客が特定の行動(製品の購入、サービスの再契約など)を起こす可能性を予測します。この予測スコアリングは、マーケティングや営業のリソースを最も効果的に利用するための重要な機能だと言えるでしょう。

CRMの機能

次に、CRMの機能を解説します。CRMの機能には、主に以下の4つがあります。

    • 顧客情報を管理する
    • データをカスタマーサポートに活用する
    • データをマーケティングに活用する
    • 営業活動をサポートする

それでは、一つずつ解説していきます。

顧客情報を管理する

CRMの機能の一つ目は、顧客情報の管理です。CRMは企業が顧客との接点で得た情報を一元的に収集・管理し、データを利用して顧客との関係を強化するために活用されます。管理される顧客情報は、基本的な個人情報(氏名・住所・電話番号・メールアドレスなど)に加えて、取引履歴、顧客の嗜好、企業との過去のコンタクト履歴(電話・Eメールなど)まで、多岐にわたります。

多様な情報が一元化されることで、企業は個々の顧客について詳細なプロファイルを作成し、それぞれの顧客との関係をより効果的に管理可能です。たとえば、個々の顧客のニーズや関心に応じてパーソナライズされたサービスを提供したり、顧客の問い合わせやクレームに迅速に対応したりすることができます。

データをカスタマーサポートに活用する

CRMの機能には、データのカスタマーサポートへの活用もあります。顧客層の幅が広いビジネスでは、カスタマーサポートは収益向上のための重要な要素の一つです。製品の購入者などの顧客からの問い合わせに対して、質の高い対応をする必要があります。

CRMを活用すると、商品の購入履歴といった自動的に取得可能なデータだけでなく、顧客の問い合わせ内容も一元化して保存することが可能です。データを管理することで、よりよいカスタマーサポート体制を築くことができるようになります。商品やサービスに関する問い合わせ情報が蓄積されるにつれて、迅速な対応や問題解決の質の向上につなげることもできます。

データをマーケティングに活用する

CRMには、データをマーケティングに活用する機能もあります。顧客の年齢・性別・住所・製品購入履歴などの情報を管理し分析することで、個々の顧客の要求に応じたアプローチがしやすくなります。

さらに、CRMの分析ツールは、マーケティング戦略の効果を測定するのに役立ちます。たとえば、特定のキャンペーンがどの顧客セグメントで最も効果的であったか、どの製品やサービスが特定の顧客層にとって魅力的であるかなどの洞察を行うことができます。

CRMのデータは、企業がマーケティング戦略を磨き、顧客エンゲージメントを向上させるための貴重なリソースとなるでしょう。

営業活動をサポートする

CRMには、営業活動をサポートする機能として、潜在顧客や既存顧客に対する営業活動を管理、追跡する機能があります。営業担当者は、個々の顧客に対するコンタクト履歴、営業チャンスの進捗、成約までの時間や受注・失注商談情報など、詳細な情報をCRMに記録することが可能です。

データを記録していくことで、営業チームは、各顧客のニーズや状況に応じたアプローチを行うことができ、顧客との関係を強化することができます。

また、CRMはチーム間のコミュニケーションを強化し、顧客との対話の一貫性を保つのにも有用です。このようにCRMは、営業活動をより効率的かつ効果的に行うための重要なツールだと言えます。

CDPとCRMの使い分け方

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CDPとCRMはどちらも顧客データを管理・活用し、ビジネスの成果を向上させることを目的としていますが、その特性と主な用途が異なります。CDPは、異なるデータソースから顧客データを収集・統合し、全顧客の全体像を形成します。これにより、企業は個々の顧客の行動や嗜好を深く理解し、パーソナライズされたマーケティング施策を企画・実施できます。

一方、CRMは、主に営業やサービス提供、情報配信の場面で、顧客との各接点で収集した情報を一元管理し、個々の顧客との長期的な関係を維持するために活用するツールです。

そのため、CDPとCRMを併用すれば、企業は顧客に対してより一貫性のあるパーソナライズされた顧客体験を提供でき、結果として顧客満足度とロイヤリティの向上が期待できます。両者を適切に連携・活用していくことで、企業は顧客体験の最適化とビジネスの成長を実現できるでしょう。

まとめ

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CDPとCRMは、どちらも顧客データ管理に必要なツールですが、その使い方と機能は異なります。CDPは企業全体の顧客データを収集・統合・分析し、ターゲットを明確にしたマーケティング施策を可能にします。

一方、CRMは顧客との関係を管理し、営業活動やカスタマーサポートの強化に役立てることができます。CDPやCRMのツールを適切に使い分け、連携することで、顧客理解を深め、ビジネスパフォーマンスを向上させることができます。本記事を参考にCDPとCRMを最大限に活用し、お客様との強固な関係構築に取り組んでいきましょう。なお、インキュデータではこれらのツールを用い、一貫したマーケティング戦略や顧客体験設計の支援を行っています。ビジネスで顧客データを活用したいとお考えの方は、ぜひ一度インキュデータにご相談ください。

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