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DX人材とは?求められるスキルやマインドも併せて解説 -

目次

更新日:2023年3月29日

 

現在、あらゆる業界でDXの推進が求められていますが、推進に向けて重要な要素の1つが「DX人材」です。

ただ、DX人材の定義や求められるスキルがよくわからないという方もいるかもしれません。また、どのようにすればDX人材を確保し、DXを推進できるかについても、把握しておきたいところです。

そこでこの記事では、DX人材の意味や求められる背景を解説した上で、DX人材に求められるスキル・マインドについても詳しく解説します。

DX人材とは?

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経済産業省は、DXの推進を担う人材の育成を促進するため、個人の学習や企業の人材確保・育成の指針とすべく、デジタルスキル標準を策定しました。DX人材の基礎知識として、デジタルスキル標準の内容に沿って以下の3つを解説します。

    • 経済産業省による定義
    • DX人材が求められる背景
    • DX人材の職種

それでは、1つずつ解説します。

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経済産業省による定義

経済産業省の「DXレポート2」では、DX人材を以下の通り定義しています。

自社のビジネスを深く理解した上で、データとデジタル技術を活用してそれをどう改革していくかについての構想力を持ち、実現に向けた明確なビジョンを描くことができる人材

 

データやデジタル技術に関する知見に加えて、ビジネスへの知見も有しており、自社のビジネスや組織を変革できる人材を意味していることがポイントです。

DX人材が求められる背景

DX人材が求められる背景には、国内外のさまざまな変化にいち早く対応するためにDXが重要になっているにもかかわらず、日本ではその取り組みが遅れていることにあります。

 

背景 概要
社会の変化 環境問題や法制定など、世界や日本社会におきている変化
顧客価値の変化 顧客が自ら情報を得やすくなったことや、ニーズの細分化
競争環境の変化 国境を超えたビジネス展開や、社会・顧客の変化に伴う競争優位性の変化



日本でDX推進が遅れている要因の1つが、DXの専門知識とビジネススキルを兼ね備えた、DX人材の不足です。DXを推進するには、DXに関する専門知識を有する人材を増やし、全社的にDXに取り組む環境を醸成しなければなりません。DXを推進する上で、DX人材が重要な役割を果たすのです。

DX人材の職種

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デジタルスキル標準では、DX人材の職種として以下の職種を策定しています。

 

職種 概要
ビジネスアーキテクト 目的設定から導入、導入後の効果検証まで、関係者をコーディネートしながらワンストップで推進
デザイナー ビジネスや顧客の視点、製品の方針や開発プロセスに沿って、製品・サービスのありかたをデザイン
データサイエンティスト データによる業務変革や新規ビジネス実現に向け、データを収集・解析する仕組みを設計・実装・運用
ソフトウェアエンジニア デジタル技術を活用した製品・サービスを提供するため、システムやソフトウェアを設計・実装・運用
サイバーセキュリティ デジタル環境におけるサイバーセキュリティリスクの影響を抑制

DX人材に求められるスキル

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ここでは、DX人材に求められるスキルとして、以下の5つを解説します。

    • ビジネス変革
    • データ活用
    • テクノロジーの理解
    • セキュリティの理解
    • パーソナルスキル

それでは、1つずつ解説します。なお、デジタルスキル標準では各スキルの要素とともに、学習項目も示しているので参考にしてみてください。

ビジネス変革

DXの目的は、自社ビジネスの変革にあります。そのため、以下の表に示すとおりビジネス変革に係るスキルが欠かせません。

 

ビジネス変革に係るスキル 詳細
戦略・マネジメント・システム 関係者を巻き込んで変革を起こすスキル、所定の予算・期間・品質を満たしてプロジェクトを完了させるスキルなど
ビジネスモデル・プロセス ビジネストレンドや市場規模を把握するスキル、自社ブランドに対するロイヤリティを高めて差別化を図るスキルなど
デザイン ユーザ調査を行うスキル、ユーザのニーズを踏まえて必要な機能を明確にするスキルなど

 

関連記事:DXを成功へと導く組織と技術の戦略 - 成功のカギはチェンジ・マネジメントにあり

データ活用

DXでは、データ収集・分析を行って、その結果を活用することが求められます。そのため、データ活用スキルもDX人材には必要なのです。以下の表に示すスキルが、データ活用スキルの例です。

 

データ活用スキル 詳細
データ・AIの戦略的活用 データ分析結果を正しく理解するスキル、データ・AIを用いた活用戦略など
AI・データサイエンス 統計手法を用いたデータ分析結果から洞察するスキル、機械学習などのスキルを用いて構築したモデルを評価するスキルなど
データエンジニアリング データ活用基盤の要件を固めるスキル、データ活用基盤を実装してデータを扱うスキルなど

 

テクノロジーの理解

デジタル技術は日々進化しているため、新しいテクノロジーにいち早くキャッチアップして、競争優位性を確保するために採用を検討しましょう。そのために、ネットワークやプログラミングなど、IT関連の基礎知識も予め身につけておきましょう。これらの基礎知識は技術職との共通言語になる上に、新しいテクノロジーを理解するためにも重要です。テクノロジーについて覚えておきたい知識の例を、以下の表にまとめます。

 

覚えておきたい知識 詳細
ソフトウェア開発 データ構造やアルゴリズムに関する一般的知識、チームでのソフトウェア開発の生産性を高める一般的知識、トレンドなど
デジタルテクノロジー フィジカルコンピューティングフィジカルコンピューティングの知識、新しいデジタルスキルを応用したビジネス・サービスに関する知見・トレンド知識など

セキュリティ

DXではデジタルデバイスの活用が必須になります。ただ、デジタルデバイスを活用する際には、セキュリティが課題になることが少なくありません。そのため、以下の表に示すとおり、セキュリティに関するスキルもDX人材には欠かせないのです。

 

セキュリティに関するスキルの例 詳細
セキュリティマネジメント セキュリティ対策実施体制を構築するスキル、セキュリティインシデントが発生しても事業継続を可能にするスキルなど
セキュリティ技術 デジタルサービスのセキュリティを適切に診断するスキル、セキュリティ監視を行うスキルなど

パーソナルスキル

DX人材もビジネスパーソンであるため、ビジネスパーソンに求められる基礎的なパーソナルスキルも必要になってきます。代表的なパーソナルスキルを、以下に2つ表にまとめます。 

  

代表的なパーソナルスキル 詳細
ヒューマンスキル 必要なタスクを具体化するスキル、多様な価値観をもつメンバー同士で合意形成に導くスキルなど
コンセプチュアルスキル ゴール達成イメージをビジョンとして描くスキル、得られた情報を鵜呑みにせず合理的に判断するスキルなど

関連記事:失敗しないDXの始め方 - デジタルによる変革を軌道に乗せる四つの基本ステップ

DX人材に必要なマインド・スタンス

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ここでは、DX人材に必要なマインド・スタンスとして、以下の7つを解説します。

    • あらゆる変化に柔軟に適応
    • 社内外の人材とコラボレーション
    • 顧客への共感
    • 常識にとらわれない自由な発想
    • 小さく始めて何度も試行錯誤
    • 臨機応変な意思決定
    • 客観的事実から意思決定

それでは、1つずつ解説します。

関連記事:DX成功のカギは顧客データの循環にあり - コロナ流行で待ったなし!DXを実現する方法を知る

あらゆる変化に柔軟に適応

技術や法律、さらには世界情勢などは刻一刻と変わっており、DX人材として自社のビジネスを改革してよい方向に導くには、これらの変化にいち早く対応する必要があります。自主的に学ぶ姿勢をもち、既存の価値観を大切にしつつ、場合によっては環境の変化に応じて柔軟に新しい価値観やスキルをも身につけていきましょう。

社内外の人材とコラボレーション

DXを加速させるには、さまざまな専門知識を有する人材同士が知恵を出し合うことが必要です。そのため、多様性を尊重しながら、社内外でさまざまな人材とコラボレーションしましょう。

顧客への共感

顧客に共感し、彼らの立場でニーズや課題を発見しましょう。販売代理店など協力会社も顧客とみなします。

常識にとらわれない自由な発想

顧客ニーズや自社の課題をDXで解決するには、場合によっては既存の方法に囚われず自由な発想が求められることがあります。自分の仕事は、なぜ現状の形で進められているか自問自答を繰り返せば、よりよいアイデアが見つかるかもしれません。

小さく始めて何度も試行錯誤

新しい取り組みや改善は、小さく始めましょう。失敗を許容できる小さな範囲で始めることで、失敗しても学びがあれば成果と考えられ、何度も試行錯誤してPDCAサイクルを回せます。こうしてDXの成功率を高められるのです。

臨機応変な意思決定

DXによる改革を進めていく過程では、前例がない課題やトラブルが発生することは珍しくありません。その場合、前例による意思決定はできませんが、価値創造に向け必要であれば臨機応変に意思決定しましょう。

客観的事実から意思決定

変化が激しい世の中では、これまでの勘や経験による判断が正しいとは限りません。そのため、DX人材には客観的な事実やデータに基づき意思決定を行う姿勢が求められます。

DX人材を確保する方法

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ここでは、DX人材を確保する方法として、以下の3つを解説します。

    • 既存社員の育成
    • スキルを有する社員の中途採用
    • 外部パートナーとDXを推進

それでは、1つずつ解説します。

既存社員の育成

まずは既存社員の育成を考えましょう。リスキリングを行う際には、デジタルやデータのリテラシーを高めることが大切です。その際、汎用的な教材も多数存在していますが、自社のITシステムや利活用率向上を図るサポートドキュメントなどを拡充させることも忘れてはいけません。特にデジタルとデータ活用は、全ての社員に関わることなので、全社的に学習する機会を設けることがおすすめです。

また、DX推進はあくまでも自社ビジネスを変革するためにあります。そのため、DX導入の目的を明確にして、それに沿って求める人材像を明確化すれば、自ずと育成方針や施策が固まってくるでしょう。さらに、自社の現状を理解することも必要です。社内ですでに稼働しているレガシーシステムについても、十分理解している人材が求められます。

育成の流れとしては、以下の流れで徐々にデータと向き合って自走してDXを推進できる社員を増やすことがおすすめです。

 

1 ワークショップなどで、DXへの社員の意識を高める
2 座学などで、形式知としてDXに関する理解を深める
3 初期メンバーとなる社員を選び、OJTなどでDXを推進するプロセスを体験してもらうことで、その社員に経験知としてのDXへの理解を深めてもらう
4 3の社員に、DXに関わるタスクを完遂する
5 3、4を経験した社員には、所属部門などで他の社員へDXについてコーチングを行う

 

併せて、社内でジョブローテーションを行うことで、幅広い職種の実務経験を積んでもらうことも有効かもしれません。

スキルを有する社員の中途採用

エンジニアやUXデザイナーなど、高度専門人材については、スキルを有する社員の中途採用を検討しましょう。DX経験があるとベターですが、DXを問わず組織改革経験やDXに対する意欲を採用基準として考えてもよいかもしれません。採用する際には、自社の現状やビジョンを十分に説明し、それらに共感する応募者を採用しましょう。

また、DXプロジェクトに携わった経験がすでにある応募者であれば、反対勢力との対立などDX推進で苦労した経験もあるかもしれません。そのため、経営層がDX推進を後押ししてくれ、十分な裁量やリソースも与えられることもアピールしましょう。これにより、応募者の不安を払拭するよう努めます。

外部パートナーとDXを推進

自社でカバーしきれない知識やスキルが求められる場合は、外部パートナーの活用も検討しましょう。これにより、自社に不足している専門知識やノウハウを効率よく保管できる上に、他社の動向やDXに関わるトレンドなどの情報も、外部パートナー経由で収集できるはずです。

外部パートナーを選ぶ際には、DXによる改革の経験やその再現性、さらには自社が抱える課題を理解して的確なアドバイスをタイムリーにしてくれるかに、着目しましょう。

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まとめ

DX人材は、データやテクノロジーだけでなく、ビジネスの知見を有しており、DXによる自社の変革を担える人材です。データ活用やパーソナルスキルなど、各スキルを掛け合わせていくことで、DXを担う人材に求められるマインドセットを有する人材を育成・獲得しましょう。そのように育成・獲得してきた人材を、DX人材に成長させていきます。

また、テクノロジーやデータ活用などのスキルに加えて、柔軟に変化に対応する姿勢や自由な発想なども求められます。既存の社員育成や中途採用で対応できなければ、外部パートナーの活用も取り入れましょう。

なお、インキュデータではマーケティング分野のDXコンサルティングサービスを行っていますので、マーケティング分野でのDX人材にお悩みの方は、一度ご相談ください。

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