INCUDATA Magazine_000461_DMPの導入成功事例と失敗要因から学ぶ正しい導入方法

DMPの導入成功事例と失敗要因から学ぶ正しい導入方法 -

目次

DMP(Data Management Platform)は、Webサイトのユーザ行動・広告配信に関する情報など、自社では収集困難な膨大な量のデータを一元管理・提供してくれるプラットフォームです。DMPを導入し、データを分析・活用することで、新規顧客や見込み客を探ることができ、大きな成果を得られている会社もあります。ただ、同時に、導入に失敗した会社もあります。双方の事例を研究することで、DMP導入を成功させるために何が必要か分かるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、DMPの導入成功事例の紹介と、失敗する主な要因、正しい導入方法について詳しく解説します。

DMPの活用事例に関する基礎知識

DMPは、大きく分けると以下の2種類に分類されます。

 

パブリックDMP
  • 主に3rdパーティデータを取り扱う
  • 集客から成約までの、アクイジション施策への活用が得意
プライベートDMP
  • 主に1stパーティデータを取り込む
  • パブリックDMPの3rdパーティデータの取り込みや、1stパーティデータとの突合も可能
  • クロスセル戦略やアップセル戦略など、リテンション施策への活用のほか、新規獲得施策にも活用が可能

以降本記事では「DMP」は全て「パブリックDMP」として解説しています。

 

INCUDATA Magazine_000461_DMPの導入成功事例と失敗要因から学ぶ正しい導入方法_データマネージメントプラットフォームの種類

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DMPの活用成功事例

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DMPの活用成功事例として某コンテンツ事業会社の例を紹介します。

某コンテンツ事業会社では、複数のWebサイトを運営していましたが、サイトのCookie情報と属性情報が紐づいていなかったため、ユーザ像が不明確という課題がありました。
そこでDMPを導入し、自社では取得が困難な外部データ(3rdパーティデータ)のCookie情報を分析することで、必要な顧客の属性情報を可視化しました。

1stパーティデータと3rdパーティデータとを組み合わせたデータ分析を行った結果、客観的なデータから今まで明らかにできなかったセグメント層を特定しました。これにより、顧客像をより明確にできました。また、ユーザの興味関心だけでなく新たなニーズも発見でき、新しいコンテンツの開発にもつながったのです。

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DMPの失敗事例につながる主な要因

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ここでは、DMPの失敗事例につながる主な要因について、以下の3つを解説します。

    • 必要なデータが不明確
    • 施策の全体像が見えていない
    • 専任者の不足

それでは、1つずつ解説していきます。

必要なデータが不明確

1つ目は、必要なデータが不明確であることです。

DMPには、自社だけでは到底集められない、膨大なデータ数が蓄積されています。
データの内容として、外部サイトの行動・訪問履歴・属性情報など多様なものがあります。

しかし、そもそも自社にとって必要なデータが不明確だと、DMPを導入してもどのデータを抽出してどのように組み合わせたら良いかが、わからなくなってしまうことでしょう。
また、DMPは匿名データを保管しているため、匿名データだと役に立たないと導入後に気づいた、ということもあるかもしれません。

DMPの膨大なデータを上手に活用できれば企業の活動発展に大いに役立てるものの、そもそも必要なデータが不明確なままだと、マーケティング施策もなかなか進みません。

施策の全体像が見えていない

2つ目は、施策の全体像が見えていないことです。

DMPを導入した後、広告配信の改善やメール配信などの施策を実施したとしても、集客から成約までの全体像が見えていないと、途中でどこに向かったら良いかゴールがわからなくなります。
そのような場合、部分的な施策を実施するだけで終わることでしょう。DMPのメリットである膨大なデータを効率的に活用できないまま、時間が過ぎていくかもしれません。

何を目指してDMPを導入するのか、ゴールのイメージを明確にしてから施策の全体像を創り、それぞれの施策の内容と優先順位を決めてスタートすることが重要です。

専任者の不足

3つ目は、専任者の不足です。

DMPを導入しても、専任担当者が不足しているがために、失敗に終わってしまうケースもあります。とりあえず先にDMPを導入して後から担当者を決めてWebマーケティングを進めようと決めても人が足りないと、施策を決めても実施できないでしょう。

DMP導入・データの分析は兼任でできる業務ではありません。初期設定はもちろん、運用サイクルを回す上でも一定の工数が必要です。そのため、専任の担当者を決めて体制を整えてから、DMP導入・データ分析を進めていきましょう。分析開始後もPDCAサイクルを回して施策を改善し続けることが、企業のWebマーケティング活動発展に重要です。

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DMP導入事例から考察する正しい導入方法

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ここでは、DMPの正しい導入方法について、以下の5つを解説します。

    • 導入目的の明確化
    • 活用方法の事前想定
    • 関係部署と事前調整
    • 目的を達成できるツール選定
    • 実施難易度とサポート体制の確認

それでは、1つずつ解説していきます。

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導入目的の明確化

DMP導入前に、目的を明確にしましょう。例えば、バナー広告やネイティブ広告の内容や配信先の最適化などが挙げられます。目的を明確にすれば、膨大かつ多種多様なデータを蓄積するDMPのなかから、具体的にどのようなデータを取り出して、どのように組み合わせて分析をするのかが、自ずと明らかになります。
まずは、目的を明確化してから導入を進めましょう。

活用方法の事前想定

導入目的に沿って、具体的な活用方法を事前に想定しましょう。自社データと外部企業のデータを掛け合わせたマーケティング施策を考えると、イメージしやすいかもしれません。例えば、自社の顧客の属性・行動と類似した顧客を探して、まだ購買行動をしていない潜在顧客に向けたアプローチなどができるでしょう。
事前にロードマップを描くことで、導入後DMPに蓄積されたデータを使ってどのような活用ができるか、イメージしやすくなります。

関係部署と事前調整

DMPに蓄積されたデータと、自社の顧客データを比較する際、マーケティング部門や営業部門など、ほかの部門のデータが必要になることがあります。その場合を想定して、関係部署と事前に調整しましょう。必要な際に円滑に組織連携でき、自社データをスムーズに手に入れて、活用できるようになります。

目的を達成できるサービス選定

さまざまなDMPサービスが提供されていますが、それぞれ特徴が違います。
例えばAIを搭載しており、ユーザの認知から〜ファン化までのデータを一元管理しているサービス、DMPだけでなくレコメンドエンジンの機能も搭載しているサービスもあります。サービスを比較して、自社の目的を達成できるサービスを選ぶことが重要です。

実施難易度とサポート体制の確認

DMPサービスは、それぞれ難易度が異なります。ITリテラシーが高くない初心者でも簡単に操作できるサービス、使い方によってはSQL構文の理解が必要なものもあります。
そのため、DMPサービス運用の難易度を事前に確認しておきましょう。中には無料で利用できるサービスもあるので、実際に使用してみるのも良いでしょう。
また、導入後操作方法に困った場合すぐに相談できるよう、サポート体制・問い合わせ方法・対応時間などを確認しておくことも大切です。

まとめ

DMPを導入して膨大なデータの中から自社に必要なデータを集め、上手に活用することができれば、顧客像の明確化やWebマーケティング活動の効率化を期待できます。DMP導入を成功につなげるためには、まずは導入目的をしっかりと決めることが大切です。目的が明確になれば、施策の全体像と優先順位もおのずと決まり、分析が必要なデータも明らかとなるでしょう。DMP導入を検討しているなら、本記事で紹介した成功事例・失敗につながる原因・導入方法を参考にしてみてください。こちら

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