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DMPでアクションプランを最適化する - 企業へのメリットや導入のポイント

近年、あらゆる業界においてビッグデータの活用が進んでいます。マーケティング分野も同様で、膨大なデータを分析して顧客の解像度を上げ、最適なマーケティングを実施したいというニーズが増加傾向にあります。それにより、多くの企業が豊富な外部データを利用できるDMPに関心を寄せています。

この記事ではDMPの概要とメリット、導入ポイントなどをまとめました。DMPについて理解を深め、顧客ニーズにそったマーケティングの参考となる内容です。

DMPとは?市場規模や企業の課題

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DMPとは、マーケティングの最適化に有用なデータプラットフォームです。まずはDMPの概要や需要予測、導入における課題について、あわせて検討されることも多い、CDPとの比較を交えつつ解説します。

DMPはユーザ理解を深めるプラットフォーム

DMP(Data Management Platform)とは、Web上のユーザの行動データ、広告配信データなど、ユーザに関する多種多様な大量データを一元管理・提供するプラットフォーム(データ基盤)です。DMPのデータ分析により、広告配信などのマーケティング施策が最適化できます。

DMP/MAの市場規模や将来性

DMPとMA(Marketing Automation)の国内需要は年々増えており、今後も堅調な成長が続くと見込まれています。ある市場調査会社(※)からは、国内のDMPとMAの市場規模が事業者売上高ベースで2021年に約600億円が見込まれ、2026年には約865億円5,000万円になるとの予測が出ました。

国内でDMPやMAの需要が高まっている理由に、通信量の増加やIoTなどの普及に伴うデータ流通量の増大や、パンデミックの影響による社会的なオンラインシフトが挙げられます。企業はこうした社会情勢や消費者行動の変化により、オンライン上での顧客行動の把握や顧客接点を創出する必要が出てきました。ターゲティングの精度を高め新規および見込み顧客へ効果的にアプローチするために、DMPやMAの需要が高まっていると言えるでしょう。

DMPには2つの種類がある

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DMPには外部利用を想定した「パブリックDMP」と自社専用の「プライベートDMP」の2種類があります。ここでは、それぞれの概要と特徴について簡単にまとめました。

外部データを統合・分析できる「パブリックDMP」

パブリックDMPはオープンDMPともいわれ、3rdパーティデータを属性(ファミリー層、30代男性など)に紐づけたプラットフォームです。Webを利用するユーザの行動データや人口統計的な属性データを大量に蓄積しており、企業のマーケティングに活用できます。第三者から提供された「年齢」「性別」「所在地」など、さまざまな情報が得られるのも特徴です。

パブリックDMPは広告会社やポータルサイト運用会社などが自社のサービスサイトに訪れたユーザのデータを収集し、匿名化された状態で提供する形が一般的です。

自社単独では収集困難な膨大なデータが利用できるため、新規顧客や見込み客を探るのに適していますが、パブリックDMPで得られるのは匿名のデータのみです。

自社データを管理・統合・分析する「プライベートDMP/CDP」

プライベートDMPとは、自社のマーケティングデータを集約し一元管理するデータプラットフォームです。Webデータだけでなく、実店舗の顧客データや展示会の名刺データなど、リアルの情報も格納して管理・分析に役立てられます。さらに、プライベートDMPにパブリックDMPのデータを取り込み、自社データを補完することも可能です。プライベートDMPに特化したSaaSを「CDP(Customer Data Platform)」として定義するベンダもいます。

プライベートDMPにより自社サイトやアプリの利用データ、広告の反響などから、既存顧客の興味・関心を深堀りして、より的確なマーケティングを展開できます。追加購入や利用増加といったLTVの向上につながる施策が可能になります。

マーケティングの精度を上げるDMPの機能

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DMPにはマーケティングに有用な情報収集機能や分析機能があります。ここでは、DMPが持つ主な機能を紹介します。

データの収集・蓄積・整理

データの収集と蓄積、整理はDMPの重要な機能の一つです。DMPで収集・蓄積されるデータの一例を紹介します。

    • パブリックDMP

      • 国や自治体が提供するオープンデータ
      • データ収集企業が提供するデータ
      • 他社サイトの閲覧情報から推測される、興味・関心に関するデータ
      • 検索エンジン上の検索履歴
    • プライベートDMP

      • 自社顧客の属性データ
      • 自社製品の購入履歴
      • 自社サイトや自社アプリへのアクセス・行動履歴

データの統合と分析

パブリックDMPによって収集された3rdパーティーデータなどと自社のデータを統合し、管理・分析ができます。

DMPの主だった分析機能は以下の通りです。

RFM分析

「Recency(直近の購入日)」「Frequency(購買頻度・回数)」「Monetary(購入金額)」の3つの基準をもとに顧客評価を行う機能です。商材カテゴリ別の分析や、顧客のランク化・グループ化もできます。

ユーザ分析

ユーザ属性(年齢・性別等)やアクセス履歴、嗜好性などを集計・分析します。

商品分析

商品属性別、売上金額別のABC分析など、商品を軸にした分析機能です。

このような分析機能は、基礎となるデータによって活用シーンが異なります。例えばパブリックDMPに蓄積された3rdパーティデータは、不特定多数の新規顧客獲得に役立つでしょう。新規顧客を獲得した後、顧客を育てるマーケティングにおいては、プライベートDMPを基盤に据え、パブリックDMPのデータと紐づける活用が効果的です。

ツールとの連携による効果的な情報発信

DMPによる分析とセグメント抽出を経て、ターゲットに対し具体的なマーケティングを実施します。DMP単体で、顧客へのアプローチといったコミュニケーション施策が図れない場合には、DMPとCRMやMAなどのマーケティングツールを連携し、各種の広告媒体やデジタルメディアを通じて効果的なプロモーションを行うことが求められます。

ツールとの適切な連携により、DMPで分析したターゲットに適した内容の自社サイトやアプリのレコメンド、DM・メールによる個別の働きかけや、ターゲット別の広告配信など、成果につながる施策を実行可能です。

DMPを導入する企業のメリット

DMPの分析機能により、既存顧客と潜在顧客にさらに迫ったマーケティングができます。ここでは新規顧客のすくい上げや効果的なマーケティング施策が実行できるといった、企業に対するDMP導入のメリットを見てみましょう。

新たな顧客ターゲットを発見できる

パブリックDMP・プライベートDMPとの併用により、見つかったターゲットやセグメントの解像度の精度も高まり、マーケティング手段の絞り込みがしやすく、成果も上げやすくなるでしょう。このように、DMP導入は新規顧客の開拓、商品企画・開発にも役立ちます。

プライベートDMPでは自社サイトやアプリ、店舗利用などの社内データのほか、パブリックDMPの外部データの取得と統合、一元管理が可能です。外部データの活用と分析によって、今まで見えていなかったターゲット像が見つかるかもしれません。DMPを使うにつれ蓄積されるデータを分析し、新たなセグメントを発見できるのもDMP導入のメリットです。

効果の高いマーケティングの施策を実施できる

DMPを導入しユーザの属性や行動・購買履歴など既知の情報を活用することで、販売拡大や離反防止のためのone to oneマーケティングを実施できます。

例えば、既存顧客の動向・属性と似た潜在顧客を抽出して拡販したり、新規顧客を既存顧客の属性と照合したりして、効率的なクロスセル誘導が可能です。

DMPの活用でプッシュ型のプロモーションだけでなく、離反阻止やフォロー拡充の施策を実施し、顧客満足度を向上できるでしょう。例えば、競合商品のユーザ属性と顧客動向を照合し、自社の顧客が他社へ移行の兆候が見えた場合、防止策を実施できます。

DMPの導入に適している企業の特徴

DMPの導入に適しているのは、効果的に顧客との関係強化を図りたいと望む企業です。多彩なブランドと多数のアイテム、チャネルを多く抱える企業であればあるほど、分析対象のデータが大量にあるため、コミュニケーションと購入までの最適化による効果を高められるでしょう。

DMPは既存顧客との関係強化だけでなく、顧客数の拡大を狙う企業にもおすすめです。潜在顧客への効率的な働きかけや、市場の顧客属性・動向から新たなセグメントやターゲットの選定もできます。

また、顧客流出の理由と真のニーズがわかれば、ポイントを押さえた施策を実行できます。既存顧客の定着に悩む企業にも、DMPはおすすめです。

DMPを導入する際のポイント

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DMPには多様な機能があり、明確な戦略を持たねば、その性能を生かしきれないでしょう。ここからは、DMPの導入において留意したい2つのポイントを解説します。

DMPを導入する目的を明確にする

DMPは社内データや3rdパーティーデータなどを収集・統合します。しかし大量のデータを分析する際に明確な目的がなくては、データを持て余したり、効果的なアクションを起こせなかったりするかもしれません。精度の高い仮説や予測を導き出せず、導入によるメリットを得られないことも考えられます。

例えば優良顧客のナーチャリングのため、購買に至るまでに顧客はどのポイントで何を求めているかを探り、自社が取るべき最適な打ち手を探りたい、といった導入目的を定めましょう。DMPを活用して何をするのかを考えることが、導入成功のポイントです。

DMPのアクションプランを定める

DMPは多彩な分析機能があり、さまざまなマーケティング施策の実現に向けられるため、事前にアクションプランを決めておかないと方向性にブレが生じます。マーケティングの効率化どころか、機能の多彩さに惑い、目的を見失うことにもなりかねません。

DMP導入にあたって、自社の目的に合わせたマイルストーンと具体的な実施項目を定めます。例えば、既存顧客の行動特性の把握、パブリックDMPのデータ取得、最適なチャネルの選定とコンテンツ配信などです。DMPをどう運用し活用するのか、具体的な形で落とし込んでおくと、より確実に成果を手にしやすくなります。

DMP導入でターゲティング精度を向上させよう

顧客理解には、自社データを扱えるプライベートDMP(CDP)がありますが、パブリックDMPのビッグデータを取り込むことで、既存顧客、新規・潜在顧客の両面において自社以外での属性や行動パターンを分析でき、より効果的なアプローチが可能になります。

全社的な課題として、一律的なマーケティング施策ではなく、ターゲットの理解やセグメント毎の施策の必要性を感じている方は、ぜひデータ活用の基盤となるDMP導入を検討しましょう。

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