INCUDATA Magazine_000612_調査データとは?収集方法・分析方法・アンケートの自由記述の分析まで詳しく解説!
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調査データとは?収集方法・分析方法・アンケートの自由記述の分析まで詳しく解説! -

目次

調査データとは、特定の課題解決のために収集されたアンケート結果や統計資料などのデータです。適切な収集と高度な分析により、顧客の深層心理を可視化し、根拠のあるマーケティング戦略を立案することが可能になります。

本記事では、インキュデータが推奨する定量・定性調査などの収集手法から、時系列・クラスター分析といった5つの主要な分析フレームワーク、さらに自由記述のテキストマイニング手法までを網羅的に解説します。調査データを単なる数字で終わらせず、ビジネスの成果に直結させるための実践ガイドとしてご活用ください。

調査データとは?

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調査データとは、特定のテーマや問題に関する情報を得るために集められたデータのことです。このデータは、アンケート調査の回答結果や、既存の統計資料から収集されることが一般的です。アンケートでは、個人の意見や体験、行動パターンなどが質問され、それらの回答がデータとして集められます。一方、統計資料からのデータは、人口統計や経済状況など、より広範な情報を含むことがあります。これらの調査データは、特定の研究や分析、意思決定の基礎として使用され、社会や組織における重要な指標となり得ます。

調査データの収集方法

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ここでは、調査データの収集方法について解説します。

    • 定量調査
    • 定性調査
    • 覆面調査
    • 統計データ調査

表1. 調査データの収集方法

収集手法 特徴と代表的な手段
定量調査 数値で客観的な結果を得る手法。Webアンケートが主流で、市場のニーズや傾向を正確に把握するのに適している。
定性調査 数値化できない主観的意見や感情を深掘りする手法。グループインタビュー等で、顧客の本音や深層のニーズを引き出す。
覆面調査 顧客を装い現場を評価する手法。サービス品質や商品状態をリアルタイムかつ客観的に把握し、接客改善に繋げる。
統計データ調査 公的機関が公開している既存データを利用。迅速かつ低コストで大規模な市場動向やターゲット層の情報を取得できる。

それでは、1つずつ解説します。

定量調査

調査データの収集方法の1つ目は、定量調査です。

定量調査とは、数値やデータに基づく情報を収集するための調査手法を指します。この手法の特徴は、具体的な数値やデータを得ることができるため、客観的かつ明確な結果を得られる点にあります。

例えば、ある商品の購買意欲を持つ人の割合や、サービスの満足度などをパーセンテージとして示すことができます。

定量調査の実施方法は多岐にわたりますが、対面でのインタビュー郵送によるアンケート、そして最近ではWeb上でのアンケートが主流となっています。Webを利用した調査は、コスト効率が良く、大量のデータを短時間で収集することが可能です。

市場調査において、この定量調査は代表的な方法とされています。なぜなら、明確な数値データに基づく情報が企業のマーケティング戦略や商品開発の方向性を決定する上で非常に有効だからです。これにより、市場のニーズや傾向を正確に把握し、効果的な経営判断を下すことが可能となります。

定性調査

調査データの収集方法の2つ目は、定性調査です。

定性調査とは、数値化されたデータではなく、参加者の主観的な意見や感情、動機などの質的な情報を深く探るための調査手法を指します。この調査方法の目的は、単なる数字やパーセンテージでは捉えきれない、人々の背後にある思考や感情を理解することです。

例えば、グループインタビューは定性調査の一つの手法であり、特定の属性(例:年齢、性別、職業など)を持つ人々を集めて行われます。この手法の魅力は、顧客の本音や深層のニーズを引き出せる点にあります。商品やサービスのブラッシュアップ、新しいマーケティング戦略の構築などを考える際に、このような定性的な情報は非常に価値があります。

しかし、定性調査はその性質上、一般化や客観性に欠ける場合があるため、定量調査と併用することで、よりバランスの取れた情報収集が可能となります。

覆面調査

調査データの収集方法の3つ目は、覆面調査です。

覆面調査とは、実際のサービスや商品の提供現場で、一般消費者のように振る舞いながら、サービスの質や商品の状態などを評価する調査手法です。この調査は、通常、企業や店舗が自らのサービス品質を客観的に把握するために行われます。

覆面調査の大きな特徴は、調査員が「覆面」つまり、顧客として振る舞うことです。これにより、従業員は調査員である事実に気づかず、日常通りのサービスを提供します。このため、実際の消費者が体験するサービスの質や、商品の状態をリアルタイムで把握することが可能となります。

調査結果は、依頼主である企業や組織に報告され、サービス改善の参考となる貴重なフィードバックとして活用されます。例えば、接客態度、レスポンスの速さ、商品の品質、店舗の清潔さなど、多岐にわたるポイントがチェックされます。

覆面調査は、顧客目線での評価を重視する企業や店舗にとって、サービスの質を向上させる上で有効な手法として認識されています。

統計データ調査

調査データの収集方法の4つ目は、統計データ調査です。

統計データ調査とは、特定の目的や問題解決のために、既に公的機関などが公表している統計データを利用して、情報収集や分析を行う調査方法を指します。この方法の特徴は、大規模なデータが既に収集・公開されているため、迅速かつコストを抑えて必要な情報を取得できる点にあります。

政府や大学、研究機関が実施した調査は、非常に幅広い領域にわたる情報を持っており、その中から特定の属性やカテゴリーに基づいて、ターゲットとなる顧客層の情報を抽出・分析することが可能です。例えば、年齢、性別、職業といった属性によって、消費傾向や生活様式、価値観などの情報を調査できます。

企業やマーケターは、この統計データ調査を通じて、市場の動向、顧客のニーズや行動パターンを深く理解できます。また、新しい商品の開発やマーケティング戦略の策定に際して、客観的で信頼性の高いデータに基づいて意思決定を行うことが可能となります。

調査データの分析方法

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ここでは、調査データの分析方法について解説します。

    • 時系列分析
    • クラスター分析
    • アソシエーション分析
    • 主成分分析
    • 決定木分析

表2. 調査データの主要な分析方法

分析フレームワーク 目的と期待される効果
時系列分析 時間的な推移を並べてトレンドや周期性を予測。売上の季節変動や出来事の影響を特定し、未来の予測に活用する。
クラスター分析 似た特徴を持つデータをグループ化。消費者の価値観や行動に基づいたセグメントを作成し、施策を最適化する。
アソシエーション分析 アイテム間の関連性(併売ルール)を発見。クロスセル戦略や陳列方法の改善など、購買行動の深い理解に繋げる。
主成分分析 膨大な評価項目をシンプルな重要指標(総合力など)に要約。データの解釈を迅速化し、効率的な意思決定を支援する。
決定木分析 結果を導く要因を樹木構造で視覚化。購入者の属性(性別・年齢等)による分類を行い、成功要因を特定する。

それでは、1つずつ解説します。

時系列分析

調査データの分析方法の1つ目は、時系列分析です。

時系列分析は、特定の現象や変数の時間的な推移を調査・分析する手法のことを指します。具体的には、過去のデータを時系列として並べ、将来のトレンドや周期性、季節性などを予測したり、異常な変動の原因を探ることが主な目的となります。

例として、企業の売上データを考えた場合、月ごとや年ごとの売り上げの変動を時系列分析することで、特定の季節に売り上げが上がる傾向や、ある出来事が売り上げに与えた影響などを明らかにできます。

また、気象データや経済指標など、様々な分野で時系列分析は活用されています。これにより、過去のデータから未来の予測を行ったり、データの中に隠れた周期性やトレンドを発見できます。

クラスター分析

調査データの分析方法の2つ目は、クラスター分析です。

クラスター分析は、多変量解析の手法の一つであり、大量のデータや回答者を似た特徴や属性を持つグループ、すなわち「クラスター」に分類し傾向を分析します。この手法は、アンケートの回答者の背後にある隠れた傾向やセグメントを発見するために使用されることが多いです。

例えば、商品の好みや消費行動、価値観などの多様なアンケートの回答結果から、消費者を特定のセグメントに分けることができます。これにより、各セグメントの特徴やニーズを詳細に分析し、マーケティング戦略や商品開発の方向性をより的確に決定することが可能となります。

アソシエーション分析

調査データの分析方法の3つ目は、アソシエーション分析です。

アソシエーション分析は、大量のデータの中からアイテム間の関連性やルールを発見するための分析手法のことを指します。例えば、あるスーパーマーケットのデータを分析すると、「ビールを購入する客は、同時に紙おむつも購入する傾向がある」といった関連性を発見できるかもしれません。

アソシエーション分析の結果は、販売戦略の策定や商品の陳列方法、クロスセルやアップセルの戦略など、ビジネス上の多くの意思決定に活用されます。この手法により、顧客の購買行動や嗜好を深く理解し、より効果的なマーケティング活動を展開することが可能となります。

主成分分析

調査データの分析方法の4つ目は、主成分分析です。

主成分分析は、多くの変数からデータの主要な特徴をとらえるための統計的手法です。例として、食品に関するアンケートにおいて「うまみ」「香り」「食感」「のどごし」といった多数の評価項目が存在する際、これらの項目をまとめて「総合力」というような一つの指標に要約できます。

膨大なデータを扱う際にも、主成分分析を利用することで、そのデータの基本的な動きやパターンをシンプルな形で表現することが可能です。これにより、データの解釈や意思決定が迅速かつ効率的に行えるようになります。

決定木分析

調査データの分析方法の5つ目は、決定木分析です。

決定木分析は、結果を導く要因となる説明変数を明確にし、それを樹木のような構造で視覚的に表現する手法で、ディシジョン・ツリー分析とも称されます。

この分析を利用して特定の商品の購入者の特徴を性別や年齢、ライフスタイルなどの属性で分類できます。また、非購入者に対しても決定木分析を行うことで、購入・非購入にかかわる要因を把握することが可能となります。

自由記述の調査データの分析

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ここでは、自由記述の調査データの分析について解説します。

    • 数値による回答分析
    • テキストによる回答分析

表3. 自由記述データの分析手法

分析対象 内容と活用のメリット
数値による回答分析 平均値、中央値、標準偏差などの統計指標を適用。回答のバラツキや全体傾向を数値で捉え、精度の高い判断を下す。
テキストによる回答分析 アフターコーディング(分類)とテキストマイニング(頻出語・感情分析)を併用。膨大な言葉から質の高い洞察を抽出する。

それでは、1つずつ解説します。

数値による回答分析

自由記述の中で数値による回答を得られた場合、そのデータには様々な統計的手法を適用することが可能です。

例えば、平均値は、回答された数値の合計を回答数で割ったものであり、全体の中心的な傾向を示します。中央値は、数値を昇順または降順に並べた時の中央の値で、データの中心を示す指標として利用されます。最小値と最大値は、それぞれ回答された数値の中で最も小さい値と最も大きい値を示し、データの範囲を理解するのに役立ちます。

その他、標準偏差は、データの散らばり具合を示す指標です。これにより、回答者間の意見のバラツキや一貫性を評価できます。

これらの統計的指標を適切に利用することで、自由記述の数値回答の特性や傾向、バラツキの度合いなどを詳細に分析でき、より精度の高いデータ解釈や意思決定をサポートします。特に、大量の自由記述データを効率的に分析する際に、これらの指標は有用です。

テキストによる回答分析

自由記述の調査データの分析の2つ目は、テキストによる回答分析です。

テキストによる自由記述回答は、質的な情報を得るための有効な手段ですが、その内容を系統的に分析するのは一筋縄ではいきません。そこで役立つのが「アフターコーディング」と「テキストマイニング」です。

アフターコーディング」は、自由記述の回答を特定のカテゴリーやテーマに分類する手法です。まず、回答内容の傾向や頻出するキーワードを把握し、それに基づいてコード(カテゴリー)を設定します。次に、各回答をそのコードに従って分類することで、テキストデータを定量的に解析する土台を作ります。

一方、「テキストマイニング」は、大量のテキストデータから有用な情報や知識を抽出するための技術です。自然言語処理技術を利用し、キーワードの出現頻度や関連性、文脈などを分析します。これにより、隠れたトピックや関連するキーワード、感情の傾向などを探ることができます。

これらの手法を組み合わせることで、自由記述のテキストから深い洞察や知見を得ることが可能になり、より質の高い分析が行えます。

よくある質問(FAQ)

Q1: 調査データの分析方法にはどのような種類がありますか?

A1: 主な分析手法には、時間の推移を追う「時系列分析」、似た特徴で分ける「クラスター分析」、関連性を探る「アソシエーション分析」、情報を要約する「主成分分析」、要因を樹木構造で特定する「決定木分析」の5つがあります。

Q2: アンケートの自由記述(テキスト)を効率的に分析するコツは何ですか?

A2: 「アフターコーディング」で回答をカテゴリー化して数値化し、さらに「テキストマイニング」を活用して頻出単語や感情の傾向を可視化することが、深い洞察を得るための近道です。

Q3: 定量調査と定性調査を使い分ける基準は何ですか?

A3: 「市場の何%が購入しているか」といった全体像や数値を把握したい場合は定量調査、「なぜその商品を選んだのか」という理由や背景を深掘りしたい場合は定性調査を選び、両者を併用するのが最も効果的です。

まとめ

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本記事では、調査データの収集方法・分析方法を中心に解説してきました。市場調査とマーケティングリサーチは、今日の多様なニーズに対応するために必要なものです。市場の細分化が進む現代、一律の手法では顧客の真のニーズをつかむことは難しく、適切な調査方法の選択が求められます。

なお、インキュデータは調査データの設計から分析支援などデータの取得の仕組み構築からデータの活用までのご支援をワンストップで実行することが可能です。何か調査データの設計・分析でお困りごとがあれば、是非一度お問い合わせください。

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