INCUDATA Magazine_000548_CRM分析とは?目的や代表的手法も併せて解説
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CRM分析とは?目的や代表的手法も併せて解説 -

目次

CRM分析とは、顧客関係管理システム(CRM)に蓄積された属性や行動データを分析し、既存顧客との関係性強化やLTV(顧客生涯価値)最大化を目的に顧客対応方法を検討する手法です。 RFM分析やCPM分析など9つの代表的な手法を用いることで、優良顧客の特定や離脱防止、施策の精度向上を実現します。本記事では、各手法の特徴から成果を出すためのデータ収集のポイントまでを専門的に解説します。

CRM分析とは

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CRM(Customer Relationship Management)は、顧客関係管理、あるいは顧客関係管理を行うシステムを意味する用語です。CRMを活用することで、既存顧客の連絡先や購入履歴などの一元管理が可能になります。そのため、CRM分析を行うと、既存顧客データを分析し、顧客関係管理を徹底することが可能です。ここでは、CRM分析の目的として、以下の3つを解説します。

    • 顧客との関係性強化
    • LTV最大化
    • 施策の効果向上

表1. CRM分析の主な目的

目的 内容と期待される効果
顧客との関係性強化 顧客属性や行動原理を深く理解することで、最適なアプローチを可能にする。リピーターの獲得や顧客満足度の向上に直結する。
LTV最大化 顧客生涯価値(LTV)が高い優良顧客を特定し、関係を深めることで経営の安定化を図る。「また買いたい」と思われる体験を提供する。
施策の効果向上 売上増減の因果関係を明確にし、精度の高い施策を選択できる。PDCAサイクルが円滑になり、企業活動全体の改善を加速させる。

それでは、1つずつ解説します。

顧客との関係性強化

CRM分析を行うことで、自社の顧客情報から、顧客属性や行動原理の理解を一層深められます。これにより、ターゲットに最適なアプローチを行うことが可能になり、顧客との関係性強化につながるでしょう。顧客との関係性を向上できれば、リピーター獲得や顧客満足度向上にも繋がりよい効果を与えます。

LTV最大化

LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)は、顧客が生涯のうちに企業に支払う利益です。LTVが高い顧客であればあるほど、購買頻度が高く、購入単価も高いため、LTVの高い顧客を大切にすることで、経営の安定化に寄与します。CRM分析で顧客のことを理解して、顧客満足度を向上させることで、顧客が「またこの会社の商品を買いたい!」と思ってもらい、LTVを向上できるはずです。

施策の効果向上

CRM分析を行うことで、売上の増減などについて、原因と結果の因果関係をより明確に示すことが可能です。これにより、成果を出すために有効な施策を特定しやすくなり、成果を出せる可能性が高い施策を実施できるでしょう。また、CRM分析を繰り返すことで、PDCAサイクルが回しやすくなり、より企業活動を改善しやすくなります。

CRM分析の代表的手法

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ここでは、CRM分析の代表的手法として、以下の9つを解説します。

表2. 代表的な9つの分析手法

手法名 特徴と分析の視点
RFM分析 R(直近購入日)、F(購入頻度)、M(購入金額)の3指標で顧客を分類し、重要度を判断する。
CPM分析 顧客を「初回」「よちよち」「優良」など10グループに分類。中長期的な視点で育成を目指す。
デシル分析 購入金額順に顧客を10等分し、上位グループの特性把握やアプローチ優先順位の決定を行う。
セグメンテーション分析 属性やニーズで顧客を細分化。特定のターゲット層に特化した施策を検討し成果を最大化する。
CTB分析 Category(商品分類)、Taste(好み)、Brand(ブランド)から売れ筋商品の特徴を分析する。
LTV分析 顧客が生涯でもたらす利益を算出。維持コストと利益のバランスを考え、関係維持を優先すべき顧客を特定する。
クラスター分析 膨大なデータから類似した特徴を持つ集団を抽出。複雑なデータ群の特性をシンプルに把握する。
行動トレンド分析 特定のシーズンやタイミングごとの購買率を算出。時期に合わせた的確なアプローチを実現する。
売上分析 担当者や商品別の現状把握を行い、過去の傾向から適正な売上目標を設定・予測する。

それでは、1つずつ解説します。

RFM分析

RFM分析は、R:直近購入日(Recency)、F:購入頻度(Frequency)、M:購入金額(Monetary)の3指標を用いて、顧客を分類・分析するものです。

表3.RFM分析の指標

指標名 指標の意味
R(Recency) 直近購入日。顧客が最後に購入した日で、購入日が近いほど重要度が高い。
F(Frequency) 購入頻度。顧客が購入している頻度で、頻度が大きいほど重要度が高い。
M(Monetary) 購入金額。顧客が購入した金額で、金額が高いほど重要度が高い。

これら3つの指標から、顧客の重要度を判断します。重要度が高い、優良顧客に対して重点的にアプローチすることで、より効率的に利益を得られるでしょう。

CPM分析

CPM(Customer Portfolio Management)分析は、顧客がどのような状態なのか10グループに分類して分析するものです。RFM分析よりも、中長期的視点をもって顧客分類ができるため、顧客に対して中長期的アプローチを試みたい場合に活用しましょう。

表4.CPM分析の顧客分類

顧客の種類 特徴
初回顧客 / 離脱 設定期間内で1度だけ購入した顧客、または初回購入後に離脱した顧客。
よちよち顧客 / 離脱 設定期間内で2度以上購入した顧客。またはそのうち離脱した顧客。
コツコツ顧客 / 離脱 設定期間内でリピート購入した顧客。またはそのうち離脱した顧客。
流行現役 / 離脱 短く設定した期間で設定金額以上購入した顧客。またはそのうち離脱した顧客。
優良現役 / 離脱 長く設定した期間で特定金額以上購入した顧客。またはそのうち離脱した顧客。

デシル分析

デシル分析は、購入金額が大きい順に顧客を並べ、10等分のグループに分類して分析する手法です。総購入金額で、各グループの合計金額を割ることで、各グループの比率を算出できます。デシル分析により、重点的にアプローチすべき顧客のあぶり出しや、購入金額が高いグループの特性把握が可能です。これにより、効果的に顧客にアプローチできるようになるでしょう。

セグメンテーション分析

セグメンテーション分析では、ニーズや属性などの要素で顧客を分類した上で、それぞれの要素ごとに分類して購入履歴・購入金額・購入方法などを分析します。セグメンテーション分析を活用することで、購入頻度が高い、もしくは一度の購入金額が大きい顧客属性を分析可能です。購入頻度が高い、もしくは一度の購入金額が大きい顧客は、重要度が高い顧客であるため、それらのセグメント向けの施策を強化すれば、成果を出せる可能性が高まるでしょう。

CTB分析

CTB分析はRFM分析と同様に、C(Category:カテゴリー)、T(Taste:テイスト)、B(Brand:ブランド)の3つの要素で分析する方法です。CTB分析では、以下の3つの要素について分析を行います。

表5.CTB分析の要素

要素 内容
C(Category:カテゴリー) 大分類・中分類・小分類などで商品を分類し、顧客の好みをおおまかに把握する。
T(Taste:テイスト) デザインやサイズなどの観点で顧客を分類し、どのようなテイストが好みか把握する。
B(Brand:ブランド) 商品ブランドやキャラクターなどで顧客を分類し、好みのブランドを把握する。

これら3つの要素から、人気がある商品や売上が大きい商品の特徴を分析すれば、商品開発やプロモーションに役立つ知見が得られるでしょう。

LTV分析

LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)分析は、顧客が相手に対してどれだけの金額を生涯使用するか分析するものです。平均購入単価、購入頻度、購買期間などの要素をもとに算出します。LTVが高い顧客は、安定して利益をもたらしてくれる可能性が高いため、より関係性を維持すべき顧客と言えるでしょう。

クラスター分析

クラスター分析は、さまざまな属性のデータが混ざっている集団より、類似したデータをグループ分けするものです。クラスター分析を用いることで、大量のデータを単純化でき、特性や傾向を把握しやすくなります。

行動トレンド分析

行動トレンド分析は、過去の購買傾向を分析することで、特定のシーズンにおける商品の購買率を算出するものです。年齢や性別などから顧客を分類し、特定のシーズンごとに各属性の顧客について行動を追跡します。これにより、どのような顧客が、どのタイミングで高い確率で購買行動を起こすか分析します。行動トレンド分析の結果は、施策の検討材料として用いることが可能です。また、時期やターゲットを絞って的確に施策を行うことで、余計な経費をかけずに効率的に売り上げを向上させられるでしょう。

売上分析

売上分析は、売り上げまでのプロセスなど現状把握を行うための分析方法です。担当者や商品、サービスごとに売上傾向を把握でき、売上目標を想定する際にも、売上分析にもとづき予測すれば適正な数値を設定できるでしょう。また、現在売上好調な商品の特定やマーケティングの効果測定も可能です。売上分析を用いて、多角的な視点で売上拡大・利益確保の戦略を導きましょう。

CRM分析を行う際のポイント

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ここでは、CRM分析を行う際のポイントとして、以下の4つを解説します。

    • 確実な情報収集、蓄積
    • 既存顧客の分析からスタート
    • CRMツールの活用

それでは、1つずつ解説します。

確実な情報収集、蓄積

CRM分析では、そもそも分析対象のデータがないと始まりません。そのため、CRM分析を行う前に、確実な情報収集と蓄積が必須です。顧客とのコミュニケーション履歴や購買履歴を確実に入力・蓄積しておき、正確な分析ができるよう整備しましょう。

既存顧客の分析からスタート

新規顧客の開拓は、既存顧客へのアプローチより難しいとされることが一般的です。まずは、すぐに成果が出る可能性が高い、既存顧客の分析からスタートしましょう。

CRMツールの活用

CRMツールを活用することで、CRM分析だけではなくデータの蓄積や配信機能などのソリューションなどを実現できます。ただ、CRMツールにより使える機能は異なるため、自社の目的に応じて最適なCRMツールを選びましょう。例えば、営業部門やカスタマーサポート部門では、SFA機能を有するCRMツールがおすすめです。

CRM分析に関するよくある質問(FAQ)

Q1: RFM分析とCPM分析の使い分けはどうすればよいですか?

A1: 短期的なキャンペーン施策にはRFM分析、中長期的なファン育成にはCPM分析が適しています。RFMは「今すぐ動く客(直近購入者)」を見極めるのに優れ、CPMは「一度離脱したが戻ってきた客」など、時間軸を含めた顧客の状態変化を追うのに適しています。

Q2: CRM分析を始めても、なかなか成果が出ない原因は何ですか?

A2: 「分析そのものが目的化」し、具体的な次のアクションに繋がっていないことが主な原因です。分析結果から「どのセグメントに、どのタイミングで、何のメッセージを送るか」という施策の仮説を立て、ABテストなどの実行までセットで行うことが不可欠です。

Q3: CRM分析にはどの程度のデータ量が必要ですか?

A3: 統計的な有意性を確保するため、最低でも数百〜数千件の顧客データがあることが望ましいです。ただし、データ量以上に「属性(性別・居住地等)」「行動(購買履歴)」「コミュニケーション(接触履歴)」が紐付いているという「データの質」が重要になります。

まとめ

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本記事では、CRM分析の意味や目的を解説し、代表的な手法9選も紹介しました。CRM分析で、既存顧客との関係性を分析することで、顧客との関係性強化やLTV最大化に資する知見を得られます。成功させるには、データ収集・蓄積を確実に行い、まずは既存顧客から始めてみましょう。

CRM分析を行うには、分析の目的を明確にし、裏付けとなるデータが確実に収集されていることが必要です。インキュデータはデータ統合基盤の構築とその活用に強みを持つデータコンサルティングファームです。分析のためのツールやデータ項目など全体設計のサポートが必要な際はインキュデータにご相談ください。

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