INCUDATA Magazine_000464_【事例つき】オムニチャネル対応の流れとポイントなどを解説

【事例つき】オムニチャネル対応の流れとポイントなどを解説 -

目次

オムニチャネルは、実店舗やSNSなどあらゆるチャネルを連携させて、サービスを提供します。これにより、顧客満足度向上や機会損失防止などのメリットを得られるのです。ただ、オムニチャネル対応を確実に行うには、正しい流れで導入する必要があります。また、オムニチャネル対応を成功させるポイントを理解することも重要なのです。

そこでこの記事では、オムニチャネル対応のメリットとポイント、事例などについて詳しく解説します。

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オムニチャネル対応のメリット

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ここでは、オムニチャネル対応のメリットについて、以下の3つを解説します。

    • 顧客満足度向上
    • より細やかな顧客分析
    • 機会損失防止

それでは、1つずつ解説していきます。

顧客満足度向上

オムニチャネルを用いると、利便性向上が期待されます。例えば、ECサイトで購入した商品を実店舗で送料無料で受け取れると、ユーザの利便性が増します。これは、各チャネルの連携が取れているからこその施策です。このように、利便性が向上して顧客満足度が向上すれば、LTV向上にもつながり、収益の安定性向上にも寄与するのです。

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より細やかな顧客分析

オンライン・オフライン両方で顧客の行動データを蓄積することで、より細やかな顧客分析が可能になります。例えば、店舗にある商品の詳細情報を確認できるQRコードを商品につけることは、店舗側にもユーザの関心を分析できるメリットがあるのです。複数チャネルを展開することは、顧客の情報を得る機会が増加するということでもあります。複数チャネルの展開により、個々のユーザへの商品レコメンドや、購買頻度にあわせた施策や対応について、精度向上が期待されます。

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機会損失防止

在庫管理が甘いと、売り切れで機会損失が発生する恐れがあります。特に、ユーザがほしいと思った商品が品切れしていた場合、何も対策しなければ他店舗で商品を購入する可能性も否定できません。しかし、各販売チャネルを連携させて統合的に管理すれば、例えばECサイトで在庫が無い商品を店舗から取り寄せるなどの対応が可能になり、機会損失防止が期待できるのです。

オムニチャネル対応までの流れ

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ここでは、オムニチャネル対応までの流れについて、以下の4つを解説します。

    • ロードマップ策定
    • カスタマージャーニーマップ策定
    • データやシステムの連携・統合
    • PDCAサイクルを回して繰り返し改善

それでは、1つずつ解説していきます。

ロードマップ策定

会社ごとに、オムニチャネル化に伴い必要な対応は異なります。また、システムの導入や統合を行うと、全社的に影響が出るものです。このように、オムニチャネル対応を行うには、「誰が」「何を」「いつ」対応するかが複雑化しがちです。そのため、まずはオムニチャネル対応に向けた全体のロードマップを作成したうえで、順次進めるようにしましょう。

カスタマージャーニーマップ策定

オムニチャネル対応には、顧客情報や購買行動を理解した上で、最適なチャネルを用意することが重要です。ここで、顧客情報や購買行動を理解するには、対象にするペルソナを策定し、そのペルソナが購入するまでの一連の思考や入手する情報の流れを可視化する、カスタマージャーニーの策定が有効です。カスタマージャーニーマップと現状とで、顧客とのタッチポイントを比較し、各タッチポイントで最適な顧客体験を提供できるよう施策を立案しましょう。

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データやシステムの連携・統合

各タッチポイントにおけるシステムを連携させ、データを統合させます。データの質を高めることで、よりユーザの購買活動を促す効果を高められるでしょう。既存システム同士では連携できず、新たなシステムを導入する必要があるケースもあります。
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PDCAサイクルを回して繰り返し改善

オムニチャネルを導入しても、全てうまくいくとは限りません。運用の過程で、以下に示す例のように、課題が露呈することも十分想定されます。

例:ECサイトで購入した商品を店舗で受け取れるようにしたが、商品のピッキングに必要な人材が不足してしまった

 

オムニチャネルを導入してもそこで終わりにせず、うまくいっているか検証しましょう。そこで、もしうまく行っていない部分があれば、改善していきます。また、当初想定のカスタマージャーニーマップに照らし合わせ、想定外の動きがあれば軌道修正しましょう。

オムニチャネル対応のポイント

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ここでは、オムニチャネル対応のポイントについて、以下の3つを解説します。

    • チャネル間の相互送客
    • カスタマーサポートとも連携
    • チャネル間でブランドイメージを統一

それでは、1つずつ解説していきます。

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チャネル間の相互送客

オムニチャネルでは、全てのチャネルをシームレスに連携させて、特定のチャネルでユーザの囲い込みを行うことはやめましょう。あくまでも考えるべきことは、会社や組織全体での利益です。理想は、実店舗で在庫切れの商品を求めているユーザをECサイトに送客するなど、チャネル同士で相互に補完し合う関係です。

カスタマーサポートとも連携

オムニチャネルでは、カスタマーサポートや問い合わせ窓口とも連携を取りましょう。問い合わせ内容や対応履歴などを一元管理し、顧客にとってスムーズな対応をすることで信頼感を醸成することができます。また、よくある問い合わせ内容をまとめ、カスタマーサポートや問い合わせ窓口のQ&Aを充実させることも検討しましょう。

チャネル間でブランドイメージを統一

ユーザは、ブランドや商品が大事なのであって、チャネルの違いは意識していないものです。オムニチャネルでは、いずれのチャネルでも自社ブランドを正しく認識してもらうことが必要です。そのため、チャネル間でブランドイメージを統一し、どのチャネルでもブランドや商品をすぐ想起できるようにしましょう。店舗で商品のQRコードを読み取り、モバイルで好きな時に吟味してもらうなど、目当ての商品を各チャネルで探しやすくしてもらう方策を検討します。

オムニチャネル対応に成功した事例

ここでは、オムニチャネル対応に成功した事例について、以下の2つを解説します。

    • 飲食業フランチャイズ
    • プロスポーツチーム

それでは、1つずつ解説していきます。

飲食業フランチャイズ

この飲食業フランチャイズ企業では、自社会員のIDデータを軸に、自社ウェブサイト・スマートフォンアプリでの行動からSNS上の行動、店舗での購買データまでを統合させ、オムニチャネルでのマーケティングを行っています。それによって、顧客が検討するタイミングから購買まで、顧客のそのタイミングごとのニーズに合った顧客体験を提供していき、ロイヤリティを高めていくという施策を展開しています。

プロスポーツチーム

INCUDATA Magazine_000464_【事例つき】オムニチャネル対応の流れとポイントなどを解説_プロスポーツチームの事例

このプロスポーツチームでは、プレーだけでなくスタジアム内外でファンとのコミュニケーションにも注力し、顧客満足度向上を図っています。従来は統合されたデータが不足していたため、最適なタイミングで施策を打つことができませんでした。
そこで、会員IDをキーにデータを統合し、Webアクセス、Web広告への反応、位置情報といった顧客行動データを一元管理することにしました。これにより、たとえば、パーソナライズしたトップページをアプリに表示したり、スタジアムに来場した顧客ごとに違う情報を配信するなど、新たな施策立案に活用しています。

まとめ

オムニチャネル対応を行うには、最初にロードマップやカスタマージャーニーマップを作成し、データやシステムを連携・統合させる必要があります。また、成功にはチャネル同士の相互送客やブランドイメージ統一がポイントです。オムニチャネル対応の成功事例も参考にして、あなたの会社でもオムニチャネル対応に取り組んでみてはいかがでしょうか。

なお、インキュデータは、データ活用コンサルティングを提供しています。さまざまなチャネルでの集客を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。

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