INCUDATA Magazine_000565_CRMのデータを活用するには?メリットや手順・活用方法も解説

CRMのデータを活用するには?メリットや手順・活用方法も解説 -

目次

ビジネスでの競争力を強化させるために、CRMのデータ活用は欠かせません。しかし、CRMシステムでデータを集めているものの、どのように活かしたらいいのかわからないという企業も多いかもしれません。

そこでこの記事では、CRMのデータの種類から活用するメリット、具体的な活用手順と活用方法を詳しく解説します。CRMデータを顧客満足度向上や売上アップにつなげる方法を知り、データ活用の一歩を踏み出しましょう。

CRMのデータの種類

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まず、CRMのデータを活用するために、どのようなデータがCRMで取得できるのかを確認することが大切です。CRMのデータの種類には、大きく分けて定量データと定性データの二つがあります。ここでは、それぞれのデータについて詳しく解説します。

定量データ

定量データは数値や量で表現されるデータのことで、CRMでは主に取引データ・顧客属性データ・エンゲージメントデータ・顧客満足度データなどがあります。定量データの一例として、企業の売上や販売数量、インターネットサイトの訪問者数などがあります。これらの情報を時間経過や年齢層ごとに見ることで、誰が・何時に・何を・どこで買ったかということを把握することが可能です。

定量データは、顧客の行動・嗜好・ニーズの傾向を把握できるため、製品改良やマーケティング戦略を改善するのに役立ちます。定量データを分析し、よりパーソナライズされた顧客体験を提供することで、顧客満足度とロイヤリティを向上させることにつながります。

定性データ

定性データとは、カスタマーセンターなどで収集した、お客さまの声に代表される数値では表現しにくい質的データのことです。文章・画像・音声・動画等で表現される非数値的な情報で、CRMでは主に顧客からのフィードバックや、ソーシャルメディアでの言及、製品レビューなどが該当します。定性データから顧客が商品を選んだ動機や、何に不満を抱いているのかなどが把握できます。そのため、定性データから直接的な分析結果を導き出すことは簡単ではありませんが、顧客の感情や要望を理解するためには重要な手段だといえます。

定性データには顧客の感情や意見などが反映されているため、解析することで、顧客のニーズや動機を深く把握することが可能です。定性データの分析結果に基づいて製品を改良していくことで、ニーズに合致した顧客体験を提供できるようになるでしょう。

CRMのデータを活用するメリット

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CRMのデータを活用するメリットはあるのでしょうか。ここでは、CRMのデータを活用するメリットについて以下の3つを解説します。

    • 顧客データの一元管理ができる
    • クロスセル・アップセルが目指せる
    • 成果につながるPDCAサイクルが実現できる

それでは、一つずつ解説していきます。

顧客データの一元管理ができる

CRMのデータを活用するメリットの一つ目は、顧客データの一元管理ができることです。CRMを利用すると、顧客情報を一箇所に集約できるため、部門間での情報共有が容易になります。同じ企業内でも担当者によって情報管理の方法が異なると、データの形式なども違い、顧客情報を共有しづらいという問題が起こりがちです。

しかし、CRMを導入して全担当者がCRMに顧客データをストックしていけば、アップデートのみで容易に情報共有が可能になります。効率的に情報共有できることで、異なる部署や顧客チャネルにおいても適切なフォローアップを行えるようになります。

クロスセル・アップセルが目指せる

CRMのデータを活用するメリットの二つ目は、クロスセル・アップセルが目指せることです。クロスセルとは、顧客が購入予定の商品と関連性の高い他の商品を提案し、購入してもらう手法です。一方、アップセルは、顧客が使用中の商品やサービスよりも価値の高いものを提案し、購入を促す手法を指します。

CRMで顧客データを管理することで、クロスセルとアップセルの戦略を立てやすくなります。顧客一人一人の購入履歴や閲覧履歴を収集・蓄積することで、過去のデータを基にした最適なマーケティングアプローチが実現可能です。

成果につながるPDCAサイクルが実現できる

CRMのデータを活用するメリットの三つ目は、成果につながるPDCAサイクルが実現できることです。CRMを用いて顧客データを分析することで、原因と結果の関係性が把握でき、効果的な施策を行うことができます。さらに、定期的にCRM分析を行うことで予測の精度が上がり、新たな問題も特定しやすくなるでしょう。そのため、計画→実行→評価→課題解決という一連のPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルが回しやすくなります。

CRMのデータを活用する手順

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CRMのデータを活用するには、手順を理解することが重要です。ここでは、CRMのデータを活用する手順について以下の三つを解説します。

    • 顧客データを収集する
    • 目標に沿って分析する
    • 結果から改善策を検討する

それでは、一つずつ解説していきます。

顧客データを収集する

CRMのデータを活用する手順の一つ目は、顧客データを収集することです。しかし、闇雲に全ての情報を収集するのではなく、必要とするデータ項目を明確にし、収集していくことが大切です。事前に目的を設定しておくことで、データ収集と統合の時間と労力を削減でき、次のプロセスも効率的に進められるようになります。

そして、顧客データを収集する段階で自社の目標となるターゲット層を明確に定義しておくことで、不要なデータや情報の混入を避けることが可能です。

目標に沿って分析する

CRMのデータを活用する手順の二つ目は、目標に沿って分析することです。CRMで集めた顧客データを基に、データの分析を進めていきます。このとき、収集前に設定した目標に最も適した分析手法を選びます。

各々の分析手法は、分析のしやすさや、結果から導き出される顧客像の詳細度など、様々な特性を持っています。そのため、最適な手法を一概に決定することはできません。扱っている商品やターゲットとされる顧客層、利用可能なリソースなどを総合的に考慮し、最も適した手法を選択していくことが大切です。

結果から改善策を検討する

CRMのデータを活用する手順の三つ目は、結果から改善策を検討することです。データ分析の結果を基に次の施策を立案していきます。データ分析は、分析自体が目的ではなく、より良い決定をするための手段であることを念頭に置きましょう。したがって、検証結果が期待した結果を得られなかったとしても、便宜的に解釈せず、事実として受け入れることが大切です。

もし分析に主観が入ってしまえば、データ分析の本質、すなわち、客観的なデータに基づいて決定の質を向上させるという目的が失われてしまいます。また、求める結果が出るまでデータ収集や分析方法を繰り返し、施策を実行するのが遅れる事態も避けるべきです。まず、設定した期間内に得られた結果から、一時的な改善策を策定し実行していきます。

その後、結果から新たな仮説を立てて、それに基づきデータを収集・分析し、さらなる改善策を検討します。このプロセスを反復することで、データ分析の精度と結果を基にした決定の質を高められるでしょう。

CRMのデータ活用方法の例

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CRMのデータは、実際にどのように活用すればいいのでしょうか。ここでは、CRMのデータ活用方法の例として以下の3つを解説します。

    • マーケティングに活用する
    • 顧客一人一人に合わせたコンテンツ配信をする
    • コールセンターの顧客対応に活用する

それでは、一つずつ解説していきます。

マーケティングに活用する

CRMのデータ活用方法の一つ目は、マーケティングに活用することです。例えば、CRMに保存した顧客情報を使用することで、自社の顧客の属性や行動の傾向を把握することができます。クラスター分析など、適切な分析手法を活用することで顧客理解を進め、次の打ち手となる施策の検討に役立てることが出来ます。

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顧客一人一人に合わせたコンテンツを配信をする

CRMのデータ活用方法の二つ目は、顧客一人一人に合わせたコンテンツを配信をすることです。現代の顧客のニーズは多種多様で、大量の顧客に対して同じアプローチをするよりも、個々の顧客に対応したOne to Oneマーケティングが求められています。

そこでCRMに蓄積された顧客情報を基に行動分析を行い、優良顧客、既存の顧客、潜在的な顧客などに分類し、さらに詳細なセグメンテーションをすることで、各顧客に適したコンテンツが表示できます。

具体的には、プッシュ通知などのアプリ配信にもCRMのデータを活用できます。例えば、ユーザが特定の商品を閲覧している場合、関連商品の情報やキャンペーン情報をプッシュ通知で送ることができます。顧客の行動に合わせたコンテンツを配信することで、アプリの使用時間を延ばしたり、購買意欲を高めたりすることにつながるでしょう。

コールセンターの顧客対応に活用する

CRMのデータ活用方法の三つ目は、コールセンターの顧客対応に活用することです。CRMをCTI(Computer Telephony Integration)と連動させることで、サービス品質の向上が見込めます。例えば、顧客が電話をかけてきたときに、その顧客の電話番号から購入履歴や過去の問い合わせ内容などの情報を呼び出すことができます。

CRMのデータを活用することで事前に顧客情報を把握できるため、時間を短縮し、円滑な顧客対応を行うことが可能になります。また、電話での対応内容も記録できるため、顧客の特性を把握してコミュニケーションの質の向上を目指すこともできるでしょう。

まとめ

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CRMのデータを活用すると、顧客情報の整理、クロスセルやアップセルの可能性、PDCAサイクルの実現による成果の向上など、さまざまなメリットがあります。活用するには、収集・分析・改善策の検討という手順を踏んでいくことが大切です。

具体的には、メールマーケティングやパーソナライズされた情報配信、コールセンター対応など、CRMのデータを活用する方法があります。本記事を参考に、CRMのデータを最大限に活用していきましょう。なお、インキュデータは顧客情報を中心にしたデータ利用に関するコンサルティングを行っています。自社のマーケティング活動において、顧客情報の有効活用に関心がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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