INCUDATA Magazine_000435_LTVを最大化させるには? - おさえるべき3つの変数と成功のポイントを解説

LTVを最大化させるには? - おさえるべき3つの変数と成功のポイントを解説 -

目次

安定して利益を上げ続けることは、企業活動を継続させるために重要なポイントの一つであり、そのためにも顧客ロイヤリティを向上させてLTVを最大化させることが必要になります。

ただ、LTV最大化が求められる背景や、どうすればLTVの変数を向上させて、LTVを最大化できるか理解できていない方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、LTV最大化のためにおさえるべき変数や成功させるポイントなどについて詳しく解説します。

LTV最大化のためにおさえるべき4つの変数

ここでは、LTV最大化のためにおさえるべき変数について、以下の4つを解説します。

    • LTVを表す式
    • 平均購買単価
    • 購買頻度
    • 継続購買期間

それでは、一つずつ解説していきます。

LTVを表す式

LTV(Life Time Value)とは、取引期間(最初の購買~最後の購買)に1人(1社)の顧客から得られる総収益のことです。以下に示す、複数の計算方法がありますが、以下では1の式を構成する3変数について、解説します。

LTV=平均購買単価×購買頻度×継続購買期間

 

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平均購買単価

平均購買単価とは、顧客1人当たりが1回の購買で支払う平均金額のことです。以下の式で計算できます。

平均購買単価(円)=売上高(円)➗ 客数(人)

購買頻度

購入頻度とは、一定期間内において、顧客が商品やサービスを購入する頻度のことです。「月」や「年」など、区切りがいいタイミングで区切って測定することが一般的です。

また、商品やサービスの種類によって、一般的な購買頻度が異なります。一般的に、消費財であれば購買頻度が高く、反対にあまり頻繁に買い換えない商品であれば購買頻度が下がる傾向にあります。

継続購買期間

継続購入期間とは、初めて商品やサービスを購入してから、それらをリピートで購入し続けている期間のことです。サブスクリプションモデルでは、申込みから解約の契約継続期間がそれに該当します。

LTV最大化が求められる背景

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ここでは、LTV最大化が求められる背景として、以下の2つを解説します。

    • 新規ユーザ獲得の難しさ
    • 購買行動の変化

それでは、一つずつ解説していきます。

新規ユーザ獲得の難しさ

一般的には、新規ユーザ獲得は既存ユーザ維持より難しいとされています。一説によると、新規ユーザ獲得コストは、既存ユーザ維持の5倍もコストがかかると言われているのです(1:5の法則)。また、日本では少子高齢化や人口減少は避けられず、日本国内のマーケットだけを考えると、新規ユーザ獲得の難易度がますます高まる市場も多いと考えられます。

そのため、場合によっては新規ユーザ獲得を重視すべきこともありますが、基本的には既存ユーザ維持に注力して、コスト抑制を図るべきと考えてよいでしょう。その過程で、LTVが向上するのです。

購買行動の変化

サブスクリプションサービスやクラウドサービスの普及もあり、商品を買い切りせずに継続的にサービスを利用し続けるケースが増えています。これらのサービスで収益を上げるには、既存ユーザの解約率を減らして、継続的にサービスを利用してもらうことがより重要になっています。

また、既存ユーザの解約率を減らすには、顧客満足度向上が必要で、結果的にLTV最大化施策はユーザのためにもなるのです。

LTV最大化のカギは顧客ロイヤリティ向上

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先ほど、LTVには3つの変数(平均購買単価、購買頻度、継続購買期間)が関わると解説しました。これら3つの変数を高めて、LTV最大化を成功させるカギは、顧客ロイヤリティ(ユーザが会社や商品に抱く愛着、忠誠心)向上にあります。

以下に、顧客ロイヤリティを向上させることで期待できる効果を、LTVの3つの変数ごとに、表にまとめます。

平均購買単価
  • ユーザが同じ会社の商品をそろえたいと考え、ユーザ一人当たりの購入点数が増える
  • ユーザが同じ会社の商品に強い付加価値を感じ、より高価な商品を購入してくれる
購買頻度
  • 会社や商品に関する情報に接する機会が増え、より頻繁に商品を購入したいと感じる
  • 特に消費財であれば、消費速度が高まってより頻繁に商品を買う必要が出てくる
継続購買期間
  • 商品や会社に強い愛着をもち、同業他社の商品に乗り換える可能性が低くなるため、離脱率・解約率が低くなる
  • その商品が必要な間は継続的に購入してくれるため、継続購入期間が延び続ける

関連記事:顧客ロイヤリティとは? - ロイヤルカスタマー獲得とLTV向上を実現する施策

LTVを最大化させるための3つの論点

ここでは、LTVを最大化させるための論点として、以下の3つを解説します。

    • 顧客単価向上
    • 購買頻度増加
    • 取引期間延長

それでは、一つずつ解説していきます。

関連記事:LTVを向上させる五つの施策 - LTV向上のメリットや有効なツールも紹介

顧客単価向上

ユーザが1回の購買時に支払う平均額である、顧客単価を向上させることは、LTV最大化にとって重要なポイントの一つです。顧客単価向上に有効な具体的施策を、以下に3つ表にまとめます。

商品・サービス価格見直し
  • 値上げを行うことで、商品単価を高める
  • 既存客離れを引き起こさないよう、以下に示す工夫が必要となる
 ○値上げした際の付加価値を示す
 ○値上げを待つ期間を設ける
アップセル
  • 現在ユーザが購入している商品の、上位商品を購入してもらう
  • 上位商品の価値やユーザのベネフィットを説明すると、アップセルに成功する可能性が高まる
クロスセル
  • 関連商品も購入してもらう
  • 類似ユーザの購入履歴を分析し、同時に購入させることが多い商品であれば、クロスセルに成功する可能性が高まる

関連記事:パーソナライズドマーケティングの意味から活用事例まで詳しく解説! - 顧客一人一人に最適な体験を提供

購買頻度増加

購買頻度を増加させるには、ユーザとこまめにコミュニケーションをとり、ユーザが商品や会社をすぐに想起できるようにすることがポイントです。特に、ユーザのメリットになる情報は積極的に配信しましょう。購買頻度増加のために発信すべき情報の例は、以下の通りです。

    • 期間限定イベントのお知らせ
    • 誕生日特典の通知
    • 新商品のお知らせ

取引期間延長

商品やサービスの契約期間を延長すれば、継続購買期間を延ばしてLTV最大化につなげられます。これは、コストをかけず比較的簡単に実施できる上に、会社側で期間をコントロールしやすいことも特徴です。

取引期間延長を成功させるには、取引期間延長に魅力を感じるオファーを出して、ユーザが喜んで取引期間を延長したいと思えるようアピールしましょう。

LTV最大化を成功させる3つのポイント

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ここでは、LTV最大化を成功させるポイントとして、以下の3つを解説します。

    • 長い目で施策を実施
    • ユーザと継続的な関わりを構築
    • データを用いて客観的に判断

それでは、一つずつ解説していきます。

長い目で施策を実施

LTV最大化の施策は数多く存在しますが、それらの施策を実行してからすぐに成果が出ないことも珍しくありません。また、今までのやり方に慣れたユーザや社員が戸惑い、一時的に売上減少などが発生することもありえます。

しかし、正しいLTV最大化施策であれば、時間がかかっても徐々に顧客ロイヤリティ向上に効果を発揮して、LTV最大化という結果が得られるはずです。そのため、長い目で施策を実施して、成果が出るまで粘り強く施策を続けましょう。

ユーザと継続的な関わりを構築

LTV最大化には、ユーザとの継続的な関わりを構築することも有効です。メルマガやSNSなどの手段を用いて、定期的にユーザとの関わりをもち続けることで、ユーザにあなたの会社を忘れないでいてもらうようにしましょう。

これにより、定期的に連絡を取り続けて次なる購入や継続購入につなげるのです。また、休眠顧客に対しても継続的に関わることで、眠りを覚ますことができるかもしれません。

関連記事:休眠顧客の眠りを覚ます方策 - 冷え切った顧客との関係を再構築する術(すべ)を知る

データを用いて客観的に判断

LTVを最大化するには、変数である平均購買単価、購買頻度、継続購買期間のそれぞれについて、正確に分析する必要があります。その際には、勘や経験ではなくデータを用いて客観的に判断しましょう。

なお、データの活用には、ツールや外部コンサルがおすすめです。ツールを活用することで、データの収集や分析を速く確実に実施できるでしょう。また、外部コンサルの豊富な知見を取り入れることで、より効果的にデータを活用できるはずです。

関連記事:ビジネスを変えるデータ活用とは? - データがもたらす利益や成功事例を解説

まとめ

新規ユーザの獲得が難しくなっている上に、サブスクリプションサービスやクラウドサービスの普及もあり、既存ユーザを重視してLTVを最大化することが重要になっています。また、LTVを最大化するには、顧客ロイヤリティを向上させることがカギになります。

LTVを最大化させるには、長い目で施策を実施することと、ユーザとの継続的関係を構築することが必要です。また、施策の結果は、データを用いて客観的に分析することも重要です。その際には、ツールを取り入れるとデータの収集や分析を速く確実に実施できるでしょう。

ただ、データの活用には、マーケティングとデータ分析両方の知識が必要で、自社だけでは十分に行えないことも珍しくありません。その場合は、外部コンサルの豊富な知見を取り入れれば、より効果的にデータを活用できるでしょう。

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